「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 10/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012日本赤十字国際人道研究センター設立にあたって学校法人日本赤十字学園理事長大塚義治現在、少子高齢化の時代を迎えて、日本の大学進学率は50%を超え、選ばなければ入....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012日本赤十字国際人道研究センター設立にあたって学校法人日本赤十字学園理事長大塚義治現在、少子高齢化の時代を迎えて、日本の大学進学率は50%を超え、選ばなければ入学が容易な、いわゆる大学のユニバーサル・アクセス化の時代を迎えています。入学志望者が多く学生に人気の大学がある一方で、入学生の定員割れを生じている大学の数が急増しています。大学2極化の時代です。こうした状況のなかで、いま、大学はいかに特色、独自性を出していくのかが問われています。それはそれぞれの大学の設立目的である「ミッション」にもう一度立ち返り、設立の意義を改めて受験生・入学生に具体的な形で打ち出すことが求められているからです。日本赤十字社の看護大学を考えるとき、それはとりもなおさず、日本赤十字社が看護師養成における高等教育部門として、赤十字が理想とする人道の理念を基調に質の高い優れた看護職を育成することにあります。それを実践するためには、赤十字の看護大学では、学生が日本赤十字社が国内外の災害救護活動などを通じて蓄積した経験・知識を学ぶ機会があり、昨年の東日本大震災時に見られたように、多くの学生がボランティアとして被災者への支援に参加できることです。また、大学院では将来の看護界を背負って立つ指導者を養成するため、赤十字の国際・国内のネットワークを活かした教育・研究を行うことができる環境があることです。さらに、欧米やアジアの赤十字社、赤新月社と連携した大学間の交換留学・学術交流を通じて学生が国際性を身につける課程が必要です。現在、こうした赤十字の特色ある大学運営を行っている日本赤十字学園は、昨年4月に日本赤十字社の協力と参加のもとに、「日本赤十字国際人道研究センター」を設立しました。同研究センターは全国7つの赤十字看護大学・短大の共同研究施設として、日本赤十字看護大学(東京、広尾)に置かれています。研究センターの活動としては、赤十字に関する資料の収集・調査および関連情報の発信、赤十字と国際人道法に関連する研究・普及、教育実習・研究のための海外拠点(フィールド)つくりと活用、赤十字のアドボカシー(世論啓発)と関連イベントの開催などです。この研究センターでの活動を通して赤十字看護大学ならではの特色がさらに発揮されることが期待されています。すでに、昨年の12月には赤十字国際委員会と共催で、全国の国際法専攻学生による「国際人道法模擬裁判」(国内予選会)を実施し、東南アジアの赤十字、赤新月社の本社や看護大学などから災害看護担当の研究員招聘事業を開始しています。また、このたびは研究センターの機関誌「人道研究ジャーナル」(Journal of Humanitarian Studies)を創刊することとなりました。最後に、赤十字関係者ならびに人道研究にご関心の方々にぜひとも日本赤十字人道研究センターへのご協力とご支援を厚くお願いする次第であります。8人道研究ジャーナルVol. 1, 2012