「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 155/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012「赤十字情報プラザ」について-運営と図書・史料等の収蔵状況-第一はじめに「赤十字情報プラザ」は、日赤本社正面入口右手の西館1階の奥にある(約290 m2 )月曜日か....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012「赤十字情報プラザ」について-運営と図書・史料等の収蔵状況-第一はじめに「赤十字情報プラザ」は、日赤本社正面入口右手の西館1階の奥にある(約290 m2 )月曜日から金曜日まで、毎日午前9時30分から午後5時まで開館している(土・日、祝・休日、年末年始、本社創立記念日-5月1日-は休館)。来館者は、赤十字関係者の団体見学の取り扱いをはじめ、一般市民、学生等のほか、特に「医療、看護、保健衛生」や「赤十字の歴史」にかかわる研究者の利用がしばしばある。平成23年1月から12月までの総来館者数は5,820人で、この年は東日本大震災で多くの来館予定が中止になり、プラザも長期休館をし、来館者は大幅に減少した。通常は年7~8,000人になる。第二プラザの業務情報プラザの果たす役割は、主に次の3点である。1図書・史料等の収集、保存、閲覧主に赤十字関連の図書、史料(約7,000点)を所蔵し、調査や研究に利用できるようにした。?開架書庫、閲覧スペースの確保?閉架書庫の管理(史料保存)?図書のデータベース化2史料展示国際赤十字の誕生と日本赤十字の歩みを、壁面解説板や80点の殆ど実物の文書、写真、物品で展示している。また、?映像展示(ビデオ上映)?ボランティアによる解説案内も行っている。3情報公開の常設受付窓口日本赤十字社の保有する情報公開に関する実施要綱(平成14年4月15日付企画第69号)」により情報提供の機能を付加して運営している。?全国赤十字支部、施設の予算決算関係資料同事業計画等?赤十字の各種パンフ・配布物等?パソコンによる情報検索?映像、音声等の閲覧第三沿革大正15年(1926年)に、当時としては画期的な構想の下に参考館(後に博物館・図書館となる)が開設され、初めて図書や史料の収集、保存閲覧、展示が行われた。この博物館と図書館が、施設の老朽化など諸般の事情により昭和38年に閉館するまで日本赤十字社の歩みを史料として蓄積し形に残したものは極めて大きく、情報プラザにある史料の大半はこの時のものである。その後、社屋の建て替えなどにより一部の資料が散逸もし、また展示機能も失っていたが、関係者の熱意などで再び「図書・資料室」という規模で再開され、数次の編成替えを経て平成15年4月現在のプラザとして新たなスタートを切った。第四図書、史料の収蔵図書、文書、写真、その他物品の収蔵(登録)については、現在整理保存(登録)を改めることとしている関係から登録目録の記述は割愛し、特に貴重な(稀有な)図書や文書について摘記する。日本赤十字社関係では、西南戦争時(1877・明治10年)における博愛社救護所(熊本、長崎)の記録。博愛社の日誌、年報、特に明治10年博愛社の初年度決算書など。また、社の機関誌とも言うべき「日本赤十字」-後に「博愛」と改題-は、明治24年発刊、昭和26年終刊まで740号が揃い、その間における本社や地方支部、施設等の方針や動向、人事、行事記録が詳細に記されている。日清、日露、日中、第二次大戦までの救護班の派遣記録や関東大震災等災害救援の記録もある。また、前述の赤十字博物館が年2回開いていた「衛生に関する特別展覧会」の記録を集録した「博物館報」は、当時の保健衛生関係の資料として注目される。社史稿については明治44年初めて編纂作業が始められ、現在第11巻(自平成8年度至平成17年度)まで刊行されている。また、支部、病院等施設関係についても百年史の形でまとめられている。国際赤十字の関係では、赤十字の創始者スイス人アンリー・デュナンの著になる、「UNSOUVNIR DE SOLFERINO」の初版は1862年だが、同年のうちに出た第2版の原書を所蔵している。人道研究ジャーナルVol. 1, 2012153