「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 158/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012私立大学戦略的研究基盤形成支援事業による「災害看護」教材の作成支援等の実施国際的な「災害看護」研究・教育の拠点基盤形成のために、日本赤十字看護大学の私立大学....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012私立大学戦略的研究基盤形成支援事業による「災害看護」教材の作成支援等の実施国際的な「災害看護」研究・教育の拠点基盤形成のために、日本赤十字看護大学の私立大学戦略的研究基盤形成への助成金申請が採択されました。看護分野での採択の前例はほとんどありません。世界にネットワークのある赤十字の特色が認められたと言えるでしょう。平成23年度から3年間事業として、平成23年3月11日の東日本大震災における災害看護の経験・知見を踏まえ、アジア地域の災害多発3ヵ国(バングラデシュ、インドネシア、タイ)における災害看護教材作成を支援します。この目的のため、途上国から毎年客員研究員をお迎えするとともに、本学の教員等が3ヵ国に出向きワークショップ等を行います。平成23年秋にアジア地域の16ヵ国に応募申請案内を出し、応募申請のあった6ヵ国から上記3ヵ国を選び、12月に現地においてインタビューを行いました。その結果、各国から各2名、計6名の客員研究員を招くことになりました。本年2月初旬から3月中旬まで滞在し、神戸、気仙沼などを視察するとともに、東京武蔵野市で展開する地域防災セミナーなどにも参加しています。また、来年度からの2ヵ年間の各国の行動計画を作成することになっています。客員研究員は次の方々です。バングラデシュ? Sonali Rani Dasバングラデシュ赤新月看護学校看護インストラクター? Abdul Karimバングラデシュ赤新月社PHCフィールド・コーディネーターインドネシア? Mahfudインドネシア赤十字医療保健部看護師? Habib Priyonoインドネシア赤十字ボゴール病院・同社危機管理センター(研究員)タイ? Wanpen Inkaewタイ赤十字看護大学准教授(コミュニティと心理学的看護)? Somjinda Chompunudタイ赤十字看護大学看護インストラクター他方、日本赤十字看護大学の各領域の教員も、本研究の一環として、3年間の研究として以下の研究に取り組んでいます。武井麻子教授(他6名)災害における援助者の二次的PTSDへの予防教育に関する研究―東日本大震災に焦点をあてて―本庄恵子教授(他8名)災害時における疾患や障害をもつ人々への援助―東日本大震災に焦点をあてて―佐々木幾美教授(他4名)アジア圏の看護教育における災害看護の教授内容と方法に関する現状と課題グライナー智恵子准教授(他4名)東日本大震災における被災高齢者の身体機能の維持・向上に関する研究本研究の経緯・目的スマトラ沖地震・津波災害直後の1月、阪神・淡路大震災の10周年記念事業の一環として、神戸に開催された国連防災世界会議(WCDR)は「災害に強い国・コミュニティの構築」を目標にする「兵庫行動枠組2005~2015年(HFA)」を採択しました。国連国際防災戦略(ISDR)を中心に、この兵庫行動枠組に基づく、減災活動が世界的に進められています。減災に向けた行動として重要な事業の一つは、災害多発国の人々の自助・共助の体制を構築することにあります。換言すれば、災害多発国の救護機関・団体の人材育成、救護資器材の整備など、その国の救護組織基盤の強化が必要です。人材育成の156人道研究ジャーナルVol. 1, 2012