「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 161/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012「2020年に向けての戦略」:はじめにこの戦略は、来るべき10年間において人類が直面する重要課題に対する取り組みを推し進めるための、国際赤十字・赤新月社連盟の総体....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012「2020年に向けての戦略」:はじめにこの戦略は、来るべき10年間において人類が直面する重要課題に対する取り組みを推し進めるための、国際赤十字・赤新月社連盟の総体の決定を表明したものです。この戦略は、各国赤十字社・赤新月社が、その具体的に関わるニーズや脆弱性に応じて、それぞれ独自のミッションステートメントや戦略を策定するための指針となるよう、これまでの政策や戦略を集約し、最新の重要概念として整理したものです。この戦略は、連盟事務局が、各国赤十字社・赤新月社を支援するため、その事業運営の優先度を設定するための方向性を示すものでもあります。同時に、事業実施ツールの更新、調整および新たな開発や、協力体制の枠組みづくりのための基礎となるものです。「2020年に向けての戦略」は、「2010年に向けての戦略」の下で達成された成果のうえに成り立っており、国際赤十字・赤新月社連盟憲章の条文と同連盟総会によって定められた諸方針を踏まえたものとなっています。また、この戦略は、国際赤十字・赤新月運動規約や戦略を指針とし、同運動関係者、外部関係者との広範な協議を経て策定されています。「2020年に向けての戦略」は以下の3章に分けて概略が述べられており、相互に関連した一体的な構成になっています。第1章では、「私たちは何者か」について説明し、国際赤十字・赤新月社連盟のマンデートを他と比較して、その相対的な強みに焦点を当てています。また「2010年に向けての戦略」の経験および教訓を検討し、世界的な傾向を予測しながら、私たちのビジョンを紹介しています。第2章では、3つの戦略目標に向けて行動し、期待される結果を出すことで、弱者への支援とその脆弱性の根本原因に取り組むために「私たちは何をすべきか」について述べています。第3章では、目標実現のための3つの具体的活動を通して、戦略を実践するため、「私たちはどのように行動するのか」について説明しています。「2020年に向けての戦略」は各国赤十字社・赤新月社の戦略形成の基盤となるものであり、異なった事情や変化する状況に対応できるダイナミックな枠組みとなっています。赤十字社員、ボランティア、職員、そして支援者全員が、その独創力と革新力をもってこの戦略に貢献し、大きな成果が得られるよう、期待されています。「2020年に向けての戦略」の組織的な実施を支援するために、国際赤十字・赤新月社連盟は2年ごとに総会で進捗状況について報告を行うこととしています。2015年には中間評価、2019年には最終評価が行われます。人道研究ジャーナルVol. 1, 2012159