「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 163/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012第1章:私たちは何者か世界における私たちの立場国際赤十字・赤新月運動の理念は世界中に存在しています。数え切れないほどの都市、村々、近隣での活動を通して目に見....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012第1章:私たちは何者か世界における私たちの立場国際赤十字・赤新月運動の理念は世界中に存在しています。数え切れないほどの都市、村々、近隣での活動を通して目に見えるインパクトだけでなく、人々の心にも影響を及ぼしています。私たちは、人々の困苦を予防・軽減するために誰でも、どこでもアクセスできる「公共の善」として広く受け止められています。私たちが実行したり発言したりすることはすべて、人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性という私たちの基本原則から生み出されたものです。これらの原則は、人々、清廉性、パートナーシップ、多様性、リーダーシップ、革新といったキーワードに関連する共通の価値観によって支えられており、それらを指針として私たちは活動しています。赤十字、赤新月およびレッドクリスタルの標章は世界的にも承認、信頼され、法律的にも保護されている私たちの存在そのもののシンボルです。私たちの活動は、数千万人のボランティアおよび会員からなる、多くの人に高い評価を受けているネットワークによって実施されています。ボランティアおよび会員は国内法により特別な地位を付与され、それぞれの国の公共機関がおこなう人道支援において、特別かつ特徴あるパートナーとしての地位を築いている各国赤十字社・赤新月社を通じて組織化されています。弱者の生活改善の機会は、相互関連、相互依存の進む世界のグローバリゼーションの力にますます影響を受けるようになっています。このことを踏まえて、各国赤十字社・赤新月社は、世界規模でひとつに団結し、私たちの共有する信条および共同の取り組みを代表する国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)を構成しています。国際赤十字・赤新月社連盟はジュネーブを本部とし、その憲章を導き手として、方針や規則、会員の義務等を決定する赤十字社・赤新月社連盟総会によって統治されています。総会は2年ごとに開催され、会長と、総会が開催されていない期間における私たちの事業を監督するための理事が選出されます。国際赤十字・赤新月社連盟は、国際赤十字・赤新月運動の構成機関であり、この運動には赤十字国際委員会(ICRC)も含まれています。赤十字運動の諸規定および戦略は構成機関それぞれの役割を定め、相互の協力と一貫性を強化し、共有するアイデンティティーを強め、人類への奉仕において全体的な効果、効率を高めます。これら機関の共同行動およびアドボカシーを検討するため、2年ごとに赤十字運動のための代表者会議が開催されています。赤十字・赤新月国際会議は4年ごとに開催され、人道上の重要な問題に関する審議のため、ジュネーブ条約の調印国と共にすべての運動構成機関が一堂に会します。2020年に向けて:より多くの活動、より良い活動、より多くの人々へ「2010年に向けての戦略」は、新世紀に向けた国際赤十字・赤新月社連盟の戦略の方向性を示しました。ここでは「人道の力を動員することにより弱者の生活を改善する」使命に注目し、運動の基本原則と人道的価値の推進、災害対応、災害対策、地域社会での保健医療の4つの中心分野に重点を置いていました。2005年の中間検討によって、より強力な「未来の連盟」の実現に関する詳細な指針が導き出されており、その中にはよりテーマを収斂させた「グローバルアジェンダ」と組織の能力と機能を改革するための「行動のための枠組み」が含まれています。人道研究ジャーナルVol. 1, 2012161