「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 179/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012活動3:国際的な組織として効果的に役割を果たす私たちは平等な立場にある各国の団体で構成される国際的な組織であり、全体として、個々の団体の力をただあわせたより....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012活動3:国際的な組織として効果的に役割を果たす私たちは平等な立場にある各国の団体で構成される国際的な組織であり、全体として、個々の団体の力をただあわせたよりも強固な存在です。私たちは集団として、この戦略で取り組んでいる目的の達成に責任を負っています。めまぐるしく変化し続ける世界における課題や機会と向き合う中で、私たちの組織は警戒心と活力を維持しなければなりません。このため私たちは、その活動方法がそれぞれの状況において最も適切かつ効率的になるよう改革していきます。これは国内で赤十字社・赤新月社組織として単独で行う場合もあれば、赤十字・赤新月運動内の資源と能力を共有するパートナーシップおよび提携を通して行うこともあります。私たちは弱者への敬意と、多様性、文化および平等への気配りを重視した倫理規範を指針としています。援助を享受する上で清廉性を重んじ、運動内の個人および集団的責任を受け止めます。また基本原則に従い、外部パートナーとの協力を歓迎します。国際赤十字・赤新月運動内での協力赤十字運動は人道ニーズを満たすうえで、赤十字・赤新月組織の総体的な貢献を拡大することを目的としています。実際には、調整機構および調整ツール、そして研修の改善などを通して実施されます。これらは、緊密な協力体制や質、効率を達成し、また各国赤十字社・赤新月社がさらに発展するための、赤十字運動構成機関間の相補的なマンデートに基づいています。赤十字運動規定ではその構成機関それぞれに課された役割が定められています。この規定を補完しているのが「国際赤十字・赤新月運動構成機関の国際活動の組織化に関する合意」(1997年のセビリヤ合意)と2005年に採択されたその補足的対策です。ここでは、緊急時の国際救援活動の組織と運動全体の強化に関連して、確立した役割と責任の分担が規定されています。それらによれば、国際的および非国際的な武力紛争、内乱およびそれらの直接的な結果としてもたらされた状況では、ICRCが「主導機関」の役割を果たします。国際赤十字・赤新月社連盟は、平時(もしくは平和がほぼ取り戻された状況)において、被災国の社の能力を上回る資源が必要とされるような自然災害または科学技術が絡んだ災害、その他の緊急事態および災害が発生した際に「主導機関」の役割を果たします。国際赤十字・赤新月社連盟はまた、各国赤十字社・赤新月社の国際的開発支援を調整する上で「主導的役割」を有しています。ICRCには武装紛争の際、各国赤十字社・赤新月社の活動を技術面、法律面から援助し、また各社の国際人道法の推進を支援する「主導的役割」があります。各国赤十字社・赤新月社はいつでも自らの通常の役割およびマンデートを維持しており、常に両機関にとっての主要パートナーです。事業実施能力がある場合には、各国赤十字社・赤新月社が国際赤十字・赤新月社連盟またはICRCどちらかとの合意により「主導機関」としての役割を担うこともあります。上記に示す「主導」機能は、排他的なものではなく、あらゆる環境において運動体を構成する全ての要素を含む協調的な役割分担であるといえます。各国赤十字社・赤新月社は、力を得つつあり、その指導的役割も益々大きくなっています。これに応じて、セビリヤ合意も見直されることになります。人道研究ジャーナルVol. 1, 2012177