「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 22/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012特別寄稿国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC):命を救う、意識を変える現在、そして、これから事務総長ベケレ・ゲレタ(1)国際赤十字・赤新月社連盟について国際赤十字・....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012特別寄稿国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC):命を救う、意識を変える現在、そして、これから事務総長ベケレ・ゲレタ(1)国際赤十字・赤新月社連盟について国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、世界最大規模のボランティアによる人道支援ネットワーク機関です。世界に拡がる187の各国赤十字・赤新月社を通じた援助活動は、毎年約1億5000万の人々に届けられています。IFRCは、各国赤十字社と共に、災害や保健衛生上の緊急事態(感染症の急速な蔓延など)の発生前から事態の解決に至るまで被災者・弱者のニーズに応えながら、その生活改善に努めております。また、その人の国籍、人種、ジェンダー、宗教、階級、政治的意見にかかわらず、公平な活動を行っています。IFRCの強みは、ボランティアによるネットワークや、地域に根ざした専門性、そして、もともとの独立性、中立性にあります。IFRCは、開発援助および災害時の援助活動におけるパートナーとして、人道的基準の向上に努めております。また、弱者の利益を常に考慮した対策を取るよう、政府や国連などの政策決定者に働きかけています。その結果、健康で安全な地域社会の実現、脆弱性の削減、困難な状況に対する回復力の強化、平和な文化の育成の活動を世界中で行っています。IFRC事務局は、各国赤十字・赤新月社を代表して大規模災害や保健衛生上の危機の発生前から事態の解決に至るまでの国際救援活動の調整を行い、各国赤十字社の災害対応能力やリーダーシップの強化を図っています。IFRCの本部はスイスのジュネーブにあり、世界63ヵ国に事務所を設置し、合計で約2,000名のスタッフがいます。年間の活動予算は約4億~5億スイス・フラン(約355億円~443億円)ですが、その額は、新たに災害が発生したり、大規模な救援活動が継続している場合(例えばハイチ地震など)には、それに合わせて変動します。すべての赤十字社が合意した将来へのビジョン:「連盟の2020年戦略」(2IFRCは、2020年戦略)‐今後10年間における重要な人道支援活動および開発活動の課題に取り組むための共同行動計画‐に基づき、「命を救う、意識を変える」に向けて全力を尽くしています。2020年戦略は2009年度のIFRC総会で採択されており、spirit of togetherness(連帯の精神)の推進は、187の各国赤十字・赤新月社のうちほぼ130社において、各国赤十字社の今後の戦略的計画の作成や事業の優先順位を決定する上での指針として使用されています。(1)ベケレ・ゲレタは、2008年7月より国際赤十字・赤新月社連盟の事務総長を務めており、赤十字勤務が約20年になる。これまでに、エチオピア赤十字社事務総長、IFRC東南アジア地域事務所所長、IFRCアフリカ部長、カナダ赤十字社国際的救助活動のジェネラル・マネージャー等を歴任している。赤十字に勤務する直前の1978年から1982年までは、出身国のエチオピアで政治犯として収監されていた。同国の運輸情報副大臣(1989-1991)を務めた後、1992年には駐日大使に任命されている。また、リーズ大学で経済学修士号を、アディスアベバ大学では政治学と経済学の学士号を取得している。2009年7月にリーズ大学から法学名誉博士号授与されている。(2)参考資料Iを参照20人道研究ジャーナルVol. 1, 2012