「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 23/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 20122020年戦略では、IFRCと各国赤十字・赤新月社が活動を行う場所において、それぞれの地域社会のニーズと脆弱性、およびそれらの地域社会が享受すべき権利と自由に応じて....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 20122020年戦略では、IFRCと各国赤十字・赤新月社が活動を行う場所において、それぞれの地域社会のニーズと脆弱性、およびそれらの地域社会が享受すべき権利と自由に応じて、より人道的で、尊厳のある、平和な世界の構築に協力する全ての人に利益をもたらす道を模索しています。各国赤十字・赤新月社は、IFRCの支援を受けながら、2020年に向けて、これまでの実績や、築き上げてきた赤十字ならではの利点を活かして、より多くの活動をより良い形で行い、さらなる発展を目指す決意です。これらの戦略は、赤十字・赤新月運動の基本原則、共通の価値、広く認知された赤十字マーク、法律上の優遇措置、コミュニティレベルでのボランティア活動を全世界に展開できる能力をもとに策定されており、弱者への関心を各国および国際社会に届けています。2020年戦略では、3つの戦略的課題に重点的に取り組みます。1.生命を救い、生活を守り、災害や危機的状況からの復興促進に取り組む2.健康的で安全な生活を可能にする3.社会的一体性、非暴力文化及び平和を促進する数字で見る世界? 1970年には自然災害は90件発生していたのに対し、2010年には450件が発生したと報告されています。発生件数はこの40年間で5倍の増加です。?全世界の移住者(経済・社会・政治等の理由で他国に流出する人々)の数は2億1500万人で、そのほとんどは公的な社会福祉制度を利用することができません。? 60パーセント以上の各国赤十字・赤新月社は、その国の非常時対応計画において、事前の予防対策の役割を負っています。? 2010年には、赤十字・赤新月社による災害リスク削減研修(気候変動に伴う災害への備えやロジスティック計画など)に、1700万以上の人々が受講しました。? 2004年から2011年の間に、1億6000万人の人々が60万人の赤十字・赤新月社ボランティアによる災害救護活動の支援を受けています。生命を救い、生活を守り、災害や危機的状況からの復興促進に取り組む各国赤十字・赤新月社のボランティアおよびスタッフは、大抵の場合、まず被災地に入り、復興まで被災者とともに被災地に留まることになります。しかし、効果的な災害管理の業務は、それよりずっと前に始まります。各国赤十字・赤新月社のボランティアやスタッフは、災害発生よりだいぶ前から地域の危険性、脆弱性、対応能力、対処メカニズムを特定し、自分たちの地域社会を支援しています。各国赤十字・赤新月社は、関係当局と共に、地域の災害への準備と対応計画の作成、早期警戒システム(災害発生予測など)の改善を行っています。正しい法的枠組みが整備されていることも必要不可欠です。IFRCでは、災害関連法整備支援の一環として、各国赤十字・赤新月社が政府に災害対策法や政策の強化について世界水準の提言を行うことを支援しています。IFRCはまた、その国内での管理・監督が十分に行われる状態を確保しつつ、海外からの人道的支援が迅速に提供できるような方法の策定についても世界をリードしています。人道研究ジャーナルVol. 1, 201221