「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 27/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012できると考えているため、ピア・エデュケーターとして若者を対象に研修を行っています。「Youthas Agents of Behavioural Change(行動変革の主体としての若者)」(YAB....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012できると考えているため、ピア・エデュケーターとして若者を対象に研修を行っています。「Youthas Agents of Behavioural Change(行動変革の主体としての若者)」(YABC)は、若者にアクティブ・リスニング、仲裁、非暴力コミュニケーションなどのスキルを身に着けさせるためのプログラムです。このような全ての活動において、IFRCと各国赤十字・赤新月社は、脆弱な地域社会を排除・疎外している公的政策を割り出し、行政などの政策決定者との対話を通して問題に対処するため声をあげるなどの人道外交(humanitarian diplomacy)に尽力しています。今後の着目点:IFRCの2012年以降の目標被災者・弱者へのサービスの拡大IFRCが最も専門性と経験を積んでいる分野は、被災者・弱者への人道的支援の提供ですが、この活動を適切かつ効果的に行うには、改善すべき分野について継続的な検討を行う必要があります。課題は二つあります。1つ目の課題は、災害や危機の影響を被った地域社会に対し、安定した信頼のおけるサービスを提供してほしいという期待が引き続き高まっています。各国赤十字社・赤新月社はこの分野でのシェアと能力を増強する必要があります。2つ目の課題は、各国赤十字社・赤新月社が災害・危機に対する準備体制および復興作業に対応できるよう、人道的支援活動の範囲を広げることです。これらの課題に取り組むため、IFRCは各国赤十字社・赤新月社と共に、コミュニティレベルでの災害リスク低減を含む災害管理プログラム作成に対応する能力の強化を行います。また、頻発する災害に対する統合的なプログラムの作成、地域社会の回復力の増強、災害対策の実践を本流とすることついても推進して行きます。各国赤十字社・赤新月社全体において、データ収集やサービスの利用者との連絡のためのGIS(地理情報システム)マッピングや携帯電話などのテクノロジーの活用を増強します。また、現金支給や心のケアのような精神的・社会的サポートなどのプログラムで、被災者の様々なニーズを支援します。各国赤十字社・赤新月社やその他の組織のこれまでの経験を活かして、IFRCはテントや仮設住宅などシェルターの最も良い解決方法を提示・推進します。国連システムのクラスターアプローチにおいて、緊急時のシェルターは、IFRCが主導して調整することになっているので、クラスターシステムが発動されるような緊急事態において、その役割を果たすことができるよう、IFRCと各国赤十字社・赤新月社の能力を向上させます。大規模な緊急事態への対応で行う大事な調整業務の改善については、IFRCはグローバル災害管理システムの開発をさらに推し進め、必要な人材と緊急物資が確保されるよう努めます。ロジスティックスについては、対応能力と効率を改善し、引き続き外部アクターへのサービス提供を行っていきます。最後に、IDRL(国際災害対応法)を含む災害関連法の影響に特に重点的に注目して、国際緊急支援、地域の災害リスクの削減、緊急時のシェルターの提供における障害などの法的側面に対応していくことになるでしょう。赤十字・赤新月社による開発援助の貢献の拡大各国赤十字社・赤新月社は、災害・危機発生時の極めて重要な救助活動でよく知られていますが、赤十字の1300万人に及ぶボランティアは、効果的な長期的開発にも長年にわたり携わってきまし人道研究ジャーナルVol. 1, 201225