「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 29/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012赤十字・赤新月社の影響力と活動への支援の強化被災者・弱者の擁護は、IFRCの長い歴史の一部であり、日常業務です。IFRCは、2020年戦略および人道外交ポリシーに則り、....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012赤十字・赤新月社の影響力と活動への支援の強化被災者・弱者の擁護は、IFRCの長い歴史の一部であり、日常業務です。IFRCは、2020年戦略および人道外交ポリシーに則り、ますます頻発し過酷になっている災害による人道的な影響への対応、保健医療制度へのアクセスの格差に対する注意喚起、非暴力文化の推進に重点的に取り組んで行きます。IFRCは、各国政府、オピニオンリーダー、政策作成に携わる立場の人々に働きかけて人道問題を議題に取り上げてもらうために、各国赤十字・赤新月社の指導者層が人道問題および開発に関わる公共政策の主要問題に取り組む際に必要な信頼と能力を身につけられるよう支援しています。IFRCは、緊急時における正確でタイムリーな情報の提供を含む効果的なコミュニケーションとアドボカシーのイニシアチブを通して、赤十字・赤新月社の活動が地域社会に与えた影響を詳細に調査するつもりです。地域社会の政策決定への参加や、受益者のコミュニケーション促進を可能にした活動には特に注目することになります。また、都市部の危険性、暴力、移住者に見られる不公平性とその影響にかかわる行動に影響を及ぼすため、ソーシャルメディアの可能性を最大限に活かすつもりです。IFRCは、資金・人材などの調達において、各国赤十字・赤新月社と緊密に連携を行い、IFRCおよび各社が独自の価値を付加できるような対外協力関係を構築します。また、IFRC内の資金・人材などの調達能力を活用し、情報交換するための知識管理戦略を策定し、維持していきます。情報格差の克服多くの赤十字・赤新月社は、世界で最も脆弱な地域社会にサービスを提供するために、テクノロジーをを利用しています。IFRCは、例えばハイチでは200万人以上の人々に、コレラ予防その他の救命に役立つ情報を携帯メールで送信しています。しかし、誰もがこのような情報を受け取ることが出来るわけではありません。貧しい国々では、通信機器は非常に高価だったり、技能を身に着けるのが難しかったり、インフラが整っていなかったり、接続費用が高かったりして、情報が入手不可能なのです。脆弱な地域社会に寄り添う赤十字・赤新月社が現代技術の恩恵を受けられずにいることも多いのです。この現象を、情報格差と呼んでいます。この問題に対応するために、IFRCは情報格差克服のイニシアチブを立ち上げました。イニシアチブでは、赤十字・赤新月社が脆弱な地域社会へのサービス提供時により大きな効果を上げられるようにするための支援として、能力開発や技能共有プログラム、世界的な赤十字・赤新月社のテクノロジーコミュニティの構築を通して、187の各国赤十字・赤新月社が最高の現代技術の恩恵を受けられるようにすることを目標としています。各国赤十字・赤新月社による情報格差の克服を可能にする情報伝達技術の向上により、3つの中核分野に影響が出ると思われます。コミュニケーション、接続方法、知識共有の改善と、各国赤十字・赤新月社のスタッフおよびボランティアの研修の改善と、各国赤十字・赤新月社の重要システムの改善による、有効性と透明性の向上です。人道研究ジャーナルVol. 1, 201227