「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 33/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 20122012年のICRC主要課題アクセスの質と活動範囲ICRCの宿願であり基本的な課題となっているのは、支援を求める人々および個人に手を差し伸べることです。ICRCの現場活動を....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 20122012年のICRC主要課題アクセスの質と活動範囲ICRCの宿願であり基本的な課題となっているのは、支援を求める人々および個人に手を差し伸べることです。ICRCの現場活動を賄うための2012年当初の活動資金協力要請額は、9億6,950万スイスフラン(約864億7, 950万円)です。これは、ICRC史上最高額となった昨年に次ぐ予算額です。2011年当初予算と同様、2011年から2014年までの組織戦略を反映し、以下を盛り込んでいます。特定の武力紛争において、ゆるぎない、もしくはより綿密な対応2012年は、5,000万スイスフラン(約44億6,000万円)以上の予算を投入して活動を行う国が7ヵ国あります。2012年に最も大規模な活動を行う10の国・地域は、以下のとおりです。アフガニスタン(約78億5,000万円)、ソマリア(約62億4,400万円)、イラク(約60億300万円)、パキスタン(約59億500万円)、スーダン(約48億5,250万円)、コンゴ民主共和国(約48億3,500万円)、イスラエルおよび占領地区(約46億9,200万円)、イエメン(約33億5,400万円)、コロンビア(約29億5,250万円)、南スーダン(約21億9,450万円)。活動資金協力要請額の約75%が国際武力紛争および非国際武力紛争における活動に関するものです。早期復興に関する活動もここに含まれます。その他の暴力を伴う事態への対応拡大国からの圧力や地域間衝突、都市型武力衝突などを含む「その他の暴力を伴う事態」におけるニーズへの対応は上記資金要請額の約20%を占めます。このような事態は国際人道法の適用範囲外ではありますが、非人道的な拘束や拉致、拷問、性的暴行、未成年の強制労働、文民や医療従事者への攻撃などの深刻な人道問題を伴っています。そのような状況下でICRCが活動する際は、法的主導権に加え、関連する武装集団の程度、人道的影響度、当該国の赤十字・赤新月社をどの程度支援できるか、その他付加価値などを鑑みて活動を開始します。地域代表部の業務増加地域代表部が行う保護、支援活動費が当初予算に占める割合は、業務の拡大を反映して2008年以来劇的に増加しています。状況に応じた包括的対応こうした困難な状況の中、ICRCは状況を判断し、ニーズに合った活動は何なのか、ということを見極められるようにならなければいけません。長引く武力衝突がもたらす様々な結果に対応しながら、突発的で急変する事態に伴うニーズへも対応する力が求められています。ICRCは、被拘束者、保健衛生、文民の保護、女性や子ども、国内避難民・移民への支援活動に注力していきます。業務と安全管理支援を必要する人々のそばでICRCが安全に活動するには、複雑な状況にすぐに対応するため人道研究ジャーナルVol. 1, 201231