「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 34/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012の準備能力と、事態の関係者との関係構築が必須事項です。職員の安全確保は業務執行時の最優先事項です。2011年に発生した事件数は平均的なものでしたが、直面する危険....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012の準備能力と、事態の関係者との関係構築が必須事項です。職員の安全確保は業務執行時の最優先事項です。2011年に発生した事件数は平均的なものでしたが、直面する危険の性質は変わらず、組織としても依然として危険にさらされています。ICRCは、今後も現場が主体となって安全管理を進めていく予定です。他組織との関係構築リビアでのケースでは、元々あまり活動を行っていなかった場所で緊急事態が発生した場合でも、ICRCが効果的な関係を構築できることが示されました。コロンビア、イラク、イスラエルと占領地域、スーダンなどその他の主要活動地域では、ICRCは古くからのネットワークを持っています。ICRCが受け入れられるかどうかは、支援を必要としている人へ行う活動の質やニーズとの関連性、国際人道法普及の信念、赤十字・赤新月運動スタッフが組織理念を遵守していることが強く影響します。武装グループやその他影響力のある組織が多様化し分散化する中、そういった組織が常にICRCを受け入れてくれる保障はありません。ネットワークにおける戦略も常に変更していく必要があります。国家との関係も変化しています。ICRCは、長期間友好状態にある国との関係を継続する一方で、それ以外の国との関係拡大にも力を入れています。そのような関係構築過程にある国での活動力を高め、相互理解とビジョンの共有に努めることで、国際的にICRCへの支援を得たいと考えています。組織が一丸となって取り組むべき、長期的課題です。赤十字のパートナーシップと調整2011年、ICRCは長引く武力紛争や緊急事態において、コートジボワール、リビア、シリア、イエメンをはじめとした各国赤十字社・赤新月社とのパートナーシップを深めてきました。それぞれの国での主要パートナーである各国赤十字社・赤新月社との関係を強化していきます。2011年リビアにおいて、各国赤十字社・赤新月社スタッフで結成された緊急医療・外科チームが効果的な働きを見せました。今後も迅速な対応ができるよう、各国赤十字社・赤新月社の動員を強化していきます。暴力を伴う事態の中で活動する各国赤十字社・赤新月社への支援を今後も継続します。国家による鎮圧や都市部における暴力については、各国赤十字社・赤新月社の医療サービスや職員が尊重され安全が保たれるよう、各国での赤十字運動の受け入れを強化します。様々なNGOや国連組織と、構造化され強固な関係を本部・現場レベル双方で継続していきます。リビアやソマリアでは、積極的に活動を行う第三国の人道支援団体・慈善団体との対話を図ります。イスラム諸国会議機構人道部(Islamic Conference Humanitarian Affairs Department, ICHAD)との対話も強化する予定です。32人道研究ジャーナルVol. 1, 2012