「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 44/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012(2)国際赤十字・赤新月運動代表者会議177カ国の赤十字・赤新月社、赤十字国際委員会(ICRC)及び連盟から687人が参加。A.核兵器にかかる赤十字の取り組みについて核兵....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012(2)国際赤十字・赤新月運動代表者会議177カ国の赤十字・赤新月社、赤十字国際委員会(ICRC)及び連盟から687人が参加。A.核兵器にかかる赤十字の取り組みについて核兵器の使用は、国際人道法上受け入れ難いことから、赤十字として核兵器の使用禁止を強く訴える決議が採択された。この決議に基づき、赤十字は各国政府や国際社会に働きかけ、また、一般市民に対して、核兵器に対する赤十字の姿勢を普及していくことが確認された。戦後、日本赤十字社は唯一の被爆国の赤十字社として核兵器の廃絶や核実験の禁止等赤十字国際会議等様々な機会を捉えて訴えてきた。2010年4月、核兵器の問題を取り巻く国際情勢が変化する中で、ICRCのヤコブ・ケレンベルガー総裁は、各国政府に対し声明を発表し、「核兵器を再び使用しないこと、そして、国際的な法的拘束力を持つ方法によって、この兵器を禁止し、廃絶すること」を求めた。赤十字は、核兵器やその他の大量破壊兵器の禁止を重ねて訴えており、2009年の赤十字代表者会議でも関連決議を採択している。今回2011年の決議は、2009年の赤十字代表者会議決議をさらに発展させ、赤十字が核兵器に対するスタンスを明確にするものであり、1996年に国際司法裁判所が示した同様の勧告的意見の支持も表明している。決議案の説明に続き、日本赤十字社長崎原爆病院の朝長万左男院長は、被爆者の長期にわたる健康被害の現実についてプレゼンテーションを行った。その後の討議において、日本赤十字社は、唯一の被爆国の赤十字社として、また決議案の共同提出日本赤十字社長崎原爆病院の朝長院長社としてこの決議に賛同する旨発言した。(Box1参照)B.他の人道団体と赤十字・赤新月運動の関係について今日、様々な機関・団体が人道活動に携わる中、赤十字が国内・国際において、外部機関との関係を積極的に活用していくことが確認された。連盟とICRCは、必要に応じ外部機関との活動調整等のための手引を作成することになった。C.武力紛争や暴力行為に対する各国赤十字社の対応について昨今、国内の武力紛争や暴力行為が頻発しており、各国赤十字社の適切な対応が求められている。そこで、各国赤十字社は、法令や規則に則して、武力紛争や暴力行為が発生した際の任務、役割、責任範囲などを明確にすること、政府との協議を行い、紛争当事者に赤十字の中立性や独立性を理解させ、被害を受けた人々への支援を行うこと、また連盟とICRCとが連携して各国赤十字社の取り組みを支援すること、ICRCが各社および連盟事務局の参加を得て、武力紛争やその他暴力下における各国赤十字社の対応能力強化のための手引を作成することなどが決議された。D.赤十字・赤新月運動戦略の見直しについて国際赤十字・赤新月運動構成員の強化と統一イメージの促進等を目的とした赤十字・赤新月運動42人道研究ジャーナルVol. 1, 2012