「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 74/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012夏期休暇の宿題の学習支援と遊び支援(楽習会2011)を先述のNGOと共に企画した。夏期休暇の宿題を学生達と進め、様々なアクティビティで、共に遊ぶことによって、子ど....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012夏期休暇の宿題の学習支援と遊び支援(楽習会2011)を先述のNGOと共に企画した。夏期休暇の宿題を学生達と進め、様々なアクティビティで、共に遊ぶことによって、子ども達との絆を深める。そして、学生達が被災地の状況を感じながら、子ども達への支援のあり方を学び、看護の視点を交えながら発展的な活動を実施することを目的とした。Ⅲ.ボランティア活動の概要1.事前準備被災した子ども達(小学生)が活動対象の中心である。しかし、子ども達を取り巻く環境は、物理的なものも大きいが、人的環境として、ご父兄や小学校関係者との関わりなど、今までの看護学実習とは違った意味で大変重要であり、繊細な関わりを求められることが予測された。また、NGOのメンバーとの人間関係の構築も同様である。そこで、学生達には、被災した子ども達の「こころのケア」についての事前学習を勧め、被災した子ども達の「こころの状態」を学生達なりに、イメージしてもらう事とした。さらに、支援に行く側である学生達の「こころのケア」についても触れることが重要であると考え、救援者の心理についても事前学習に取り入れた。活動に対する動機付けが高ければ高いほど、活動結果への達成感も強くなり、その結果如何では活動したことが学生達のネガテイブな感情を引き出すことになるのではないかと予測したからである。「自分達は何のために行くのか、誰のために活動するのか。」この中心的課題から逸れないような働きかけが重要であると考え準備にあたった。教員は、NGOメンバーや小学校との詳細な打合せ、また、学生達ならびに対象者の安全確保の為のボランテイア保険加入などを進めた。活動に必要な物品の購入は勿論のこと、現地での日々の活動計画書や、活動周知のためのポスター・チラシ、活動の栞なども学生達が自主的に取り組んで作成できるように、アドバイスしていった。2.活動の実際1)活動期間:平成23年8月1日~8月5日(午前・午後の1日2回)2)活動場所:岩手県陸前高田市広田地区仮設住宅集会所・広田小学校玄関ホール3)活動人員:看護大4年生4名(男女各2名)引率教員:2名4)参加者数:延べ70名(小学2年生から小学6年生)5)活動プログラムの概要日々の活動は、(1)朝のあいさつ、(2)学習支援、(3)遊び、(4)休憩、(5)帰りのあいさつの5つで構成された。活動初日は、初めて会う子ども達に対して、自己紹介と共に、学生達の住む北海道や北見市の紹介を地図でわかりやすく説明したり、北見の特産品であるハッカの香りを実際に子ども達に嗅いでもらう等して、北海道や北見という街に対して興味・関心が持てるように働きかけた。そして、夏休みの宿題の支援と、鬼ごっこなどの外遊び、子ども達が工作した飛行機などを使って遊んだ。休憩時間には、水分補給と、北海道のお菓子のおやつを配付するという形で、学習と72人道研究ジャーナルVol. 1, 2012