「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 83/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012小原:はい。本学が組織的に日本赤十字社、特に看護部のほうから病院支援として参加したのは、3月21日から2名と25日から2名の合計4名が、石巻赤十字病院の病院支援に入....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012小原:はい。本学が組織的に日本赤十字社、特に看護部のほうから病院支援として参加したのは、3月21日から2名と25日から2名の合計4名が、石巻赤十字病院の病院支援に入らせていただきました。仕事内容は、病棟や中等症エリアに入り、医療活動または津波に遭った患者さんたちの看護ケアを中心に取り組みました。その他に、次は日本看護協会から災害支援ナースの要請がありまして、当時、皆さんは、災害支援ナースに登録していませんでしたが、災害支援ナースとして現地に入ってほしいということで、3名の方が4月、5月に現地入りしました。活動場所は避難所で、被災者を対象に看護ケアに当たっております。これ等の活動については、5月、本学で活動報告会を開催しました。そのほかに「こころのケア」要員で、1名が6月、釜石に入っております。そのほかには3月20日、日本災害看護学会から現場のニーズを調査するために、岩手県山田町や宮古に入りました。毎日、その状況をデイリーリポートとして、すぐに学会のほうに送り、すぐにホームページに掲載するしくみで活動を展開しておりました。その時は災害の急性期でしたが、続けて中長期にも入っております。そのほかに、本学の教員がNPO災害看護支援機構に、こちらからも協力要請を掛けまして、山田町のはまなす学園という知的障がいの方々の支援活動に、3名に入っていただきました。それ以外に、気仙沼の面瀬中学校の避難所にも入っております。大学として組織的に入るのと、そのほか、個人としても入っておりますので、それ等を全部一覧表にしております。そのほか、学生のほうは、これもNPO関連で、5月のゴールデンウイークに8名、夏休みの8月、9月に4名、入っております。これは、先ほどの面瀬中学校、NPO関連のほうで、学生の希望もあって入っております。言い忘れましたが、3月に、学生が石巻赤十字病院のボランテイア活動に入っています。東浦:高田学長さん、昨年4月から、日本赤十字看護大学の学長に就任されたのですが、それから10ヵ月、この震災救護に深く関わられ、先生ご自身も陸前高田にお入りになったりされていらっしゃいますね。その辺のところからお話をお願いできますか。高田:はい。ある程度のことは、学長に就任した時点で考えてはいたのですが、実際に始まってみますと、本社看護部からの石巻看護専門学校への教育支援の要請にどう応えていくか、陸前高田市への支援の可能性をどう探るか、難しいところもありました。当初は、学内の雰囲気は率直に言って積極的とは言い難いものでした。この時期はうちも実習で大変だから無理じゃないかとか、そういう声もなくはなかったんです。社長が年頭のご挨拶のときにお話しになった、赤十字としての使命に立ち戻ることと一致するのかなと思うのですけれども、人を出すためにどうしたらよいか、どんな工夫をすると、1人でも2人でも支援で人を出せるか。こちら側が十分だから、余裕があるから出せますではなくて、出すために、私たちがどんな工夫ができるかという考え方です。そのように考えてほしいと話しました。人道研究ジャーナルVol. 1, 201281