「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 89/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012の研究助成金をそちらへ急きょ回して、災害の看護ケアの研究ということで、さらには学生ボランティアの派遣等にかかる経費に充てることができました。また、被災された....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012の研究助成金をそちらへ急きょ回して、災害の看護ケアの研究ということで、さらには学生ボランティアの派遣等にかかる経費に充てることができました。また、被災された学生への奨学資金というのも、各大学の協力得て、来年度入学する学生から経済的な支援もできるような枠組みを作り上げました。発想を転換して、もともと赤十字は何のために存在する団体なのかというところから発想していけば、全部はやれないにしても、やれることも広がっていくのではないかと思います。東浦:森岡先生、今までのお話をお聞きになられて、現場からの、こういうことが、実はまだ足りない点なんだとか、あるいは、こういうことを少し考えてもらいたいというようなところ、何かおありになりますか。森岡:はい。私は学校に勤めておりますので、教育という観点で、今も大学のほうから支援を頂いたりして、実習指導とかしていただいていますが、やはり先ほどあった中・長期的な支援をいただくということが、すごくありがたいと思います。もう災害が終わって落ち着いたわけではなく、そのあとの疲労がどんどんどんどん教職員にもたまってきておりますし、学生の負担も大きいですので、そういう辺りで、長く支援をしていただくことで、私たち自身も復興していけるんじゃないかと思っています。東浦:図書も全部流されちゃって、日赤の看護大学で必要な書籍を集めようじゃないかということで、我々にも著書の献本をという話がありました。中長期に向けての教訓・課題東浦:いろいろと、急性期からの、これまでのことについて伺ってまいりましたけども、今度の救護活動全体を通じて学んだことということを、今、浦田部長から、赤十字はどうしても急性期の救助法によるところの救護活動に特化しすぎてきたんじゃないか。もっと広げて、それこそ、本当に寄り添いますというのならば、中・長期に向かって、何が問題なのかということを、考えていくべきなのじゃないかというお話だったと思うんですね。太くなくても、ずっと長く続けることが重要なんだというお話が出ておりますけれども、この辺で、教訓とか、課題は何だったのかなということを考えていきたいと思います。浦田部長は、昨年9月に、日本災害看護学会の大会会長をなさいましたね。通常の倍の方々が参加されたとお聞きしています。東日本大震災救護の教訓とか、課題についてどうのようなことをお考えでしょうか。浦田:大会で一番申し上げたことは、災害の全サイクルに対応できるシステムや技術やそれに伴う教育をしっかりしておく必要があるということです。特に、強調したかったのは、静穏期です。津波では、この地域は大丈夫だからと逃げなかった人と、防災訓練をして、命の助かった人では、明暗がありました。静穏期の教育をもっと強化していく必要があるだろうと考えます。赤十字は、救急法の講習会を持っていますので、そこの中に入れ込んでいけばできるのではない人道研究ジャーナルVol. 1, 201287