「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 94/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012赤十字外のところで小さな規模ですけど、地道に活動に取り組んでいる人たちからの学び、あと、支援活動するためには、地域の保健師さんと協働することが不可欠です。う....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012赤十字外のところで小さな規模ですけど、地道に活動に取り組んでいる人たちからの学び、あと、支援活動するためには、地域の保健師さんと協働することが不可欠です。うまくコミットしていかないと、活動がスムーズにいきません。そういうところのノウハウもいろいろありますので、今後、赤十字が行う中・長期における活動の構築については、他組織の活動実績、経験知から取り組むことがあって良いのではと思っております。それから、先ほどの地域防災についても発言がありましたが、防災・減災の視点は、復興期の中でも絶対に構築しなきゃいけないことですね。私たちは、まだ大きな災害に遭遇していませんが、いつ起きるかわからないところでも、その学びを循環させる仕組み作りが大変重要と思っています。静穏期における災害看護活動の取り組みとして、私は地域防災を継続的に行っておりますが、実際に災害を体験した方たちからの学びを、地域防災と減災対策につなげていきたいと思っております。災害看護・災害看護教育のあり方~大震災から学んだことを踏まえて東浦:高田学長、阪神・淡路の震災の後、災害救護あるいは災害看護ということについてのある程度の広がりがあったかと思うのですけれども、人間は忘れやすいものです。ここへ来ていろんな反省点とか、いろんなことをまた、考え始めているわけですね。この3・11を踏まえて、今、救護のあり方というお話は出たんですけれども、看護教育のあり方について、どういうことを考えていかなければいけないのか。あるいは、具体的に、その考えを肉付けするようなことが起き始めているかどうか、その辺についてご紹介いただきたいのですが。高田:看護教育としては、やはり看護を学ぶ人たち全体に、基礎的な能力を開発していかなければいけないと思います。これは学部教育ですが、先ほど来、災害看護学というのは、○○看護学、領域別看護学と言っていますが、その中の一つという考え方ではなくって、むしろ、それぞれの中に災害看護の考え方が含まれている、例えて言えば横糸として通っている、カリキュラム構築のあり方そのものの中できちんと示していくというのが大切だと思うんですね。そのことが一つと、もう一つは、やはりリーダー教育だと思います。これは、赤十字だけに限らず、災害看護の、先ほどから、コーディネート機能が十分ではないとか、いろいろ出されたと思うんですけれども、赤十字の枠組みの中では活動できる。だけれども、それが外れたときには何もできないということではやっぱり困るわけなので、そういう能力をどういうふうに身に付けていくのかというのがすごく重要だと思います。ここでは二つの動きを述べさせていただきます。一つは、災害看護の専門看護師(CNS)の育成を図るべき時期にきているということで、看護系大学協議会のほうに分野認定を申請しています。これは、本学と、兵庫県立大学看護学部、広島赤十字看護大学と共同で申請しています。小原先生にもカリキュラム等についての中心的な役割を担ってもらって、申請をしていて、まだ返事は。92人道研究ジャーナルVol. 1, 2012