「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 95/216

電子ブックを開く

このページは 「人道研究ジャーナル」創刊号 の電子ブックに掲載されている95ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012来ていないけれども、たぶん認められるのではないかと期待しています。そのようにして、災害看護のCNSを育成していく。この人たちは、地域防災等での中心的な役割を担....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012来ていないけれども、たぶん認められるのではないかと期待しています。そのようにして、災害看護のCNSを育成していく。この人たちは、地域防災等での中心的な役割を担える人材になると思います。そのようにして、単に一つの施設だけではなくて、地域ということがこれからはとても重要だと思うのですが・・・。これについては、小原先生が武蔵野でなさってきた地域防災活動を教えてもらって、こういう日ごろからのことが重要だというのを認識したんですね。つまり、赤十字の組織という枠を超えて、行政ですとか、住民組織だとか、それから病院だとかと、日ごろからつながっている、連携して防災活動に取り組んでいることの重要性です。地域住民の方々の防災・減災の意識というのをいかに高めていけるかという取り組みが、いったん何かが起こったときには、これは威力を発揮すると期待できます。看護師もそういう中で活動するということが、枠を一つ超えたところにつながっていけるんじゃないかというのもあると思います。もう一つは、DNGL(Disaster Nursing Global Leader)です。これは、高知県立大学の災害看護学会の理事長をされている南学長が中心になって、文部科学省が推進している博士課程リーディングプログラムに、看護系5大学で、「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」を申請し、採択されたもので、本学も加わって、本格的には24年からスタートしていく構想です。赤十字もこういう中で、組織の制約だとか経験の有無などを超えたところで力が発揮できる人を、さらには学問的な構築ができる人材をどのように育てていけるのかが重要だと考えています。赤十字は、長い歴史の初めから、赤十字看護師あるいは救護員の育成を、赤十字社の事業として明確に位置付けています。大学がそれを担うのだという明確な目的意識、使命感というのを持って取り組んでいく必要があると思っています。ただ、このことには、人手とお金がかかります。これをどのようにして確保していくのかということが、やはり重要だと思います。赤十字国際会議での誓約東浦:五十嵐さん、この間の赤十字の国際会議で、誓約をしていますよね。五十嵐:昨年ジュネーブで開催された国際赤十字・赤新月社会議で日本赤十字社からは誓約のひとつに、今回設立された「日本赤十字国際人道研究センター」に関連して東日本大震災での赤十字救護・復興活動の教訓を活かして、国際的な災害看護教育・研究の拠点として赤十字・赤新月社の人材育成に貢献する旨を誓約として掲げています。また、その具体化として、現在、東南アジアの赤十字社、赤新月社から災害看護に関する研究員の看護の先生方が来日し、日本赤十字看護大学の先生方の協力・支援の下に自国の災害看護テキストの作成を行っています。また、同じく、日本赤十字看護大学では、日本の国立・公立の看護系大学と共同大学院を設置し、グローバルな視点から災害看護の国際的なリーダー養成を考えております。東浦:小原先生、先生は、国内だけじゃなくて、途上国における災害看護教育についても、一緒になって取り組んでいらっしゃるようですね。小原:災害看護教育の国際協力活動体験としては、サウジアラビアとインドネシアの現任の看護職を対象とした継続教育があります。継続教育のTOTとしての、トレーニング・オブ・トレーナー人道研究ジャーナルVol. 1, 201293