「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 96/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012ズのトレーナーを育成するまでに行き着けるのはなかなか大変と思います。インドネシアの場合、参加者の皆さんそれぞれが、ある程度のレベルに達成するところまではいく....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012ズのトレーナーを育成するまでに行き着けるのはなかなか大変と思います。インドネシアの場合、参加者の皆さんそれぞれが、ある程度のレベルに達成するところまではいくのですけれども、それ以上にいくために、具体的に指導者育成をしていくというのは、時間、それを裏付ける資金も必要かと思います。TOTまでいけなかったというのは、ちょっと悔恨としてあります。サウジアラビアに関しては、災害を、ぜひ受け入れが欲しいということで、JICAからの要請でした。3週間ずつ、4年間継続的に行いました。そうしますと、1回が短い間であっても、4年間続けて行くことで、サウジアラビアの参加者自身が研修の学びを取り込んで、指導者育成の仕組みを作っていく動きが見られました。この継続的な支援活動の経験を通して、参加者自身が、自分たちで作り上げていくことで、力を持っている人たちが目標達成まで行き着けることは可能と思います。今回、東浦先生の戦略的な基盤研究形成に関して思うのは、3年間継続的に、きちんとテキストまで作って、それがちゃんと普及し、つまりテキストを教育に使うところまで見届ける。見届けるというか、そこまで関わっていくということは、絶対に手を放しちゃいけないことと思っております。研究員がテキスト作成を自分たちのものにして、展開していくまでは、ある程度の期間と継続的な支援が必要かと思います。災害看護教員等の人材育成が必要高田:そういうことのためには、教員自身が災害看護の経験を積んでいくということが重要になります。これがないと、学生の教育もリアリティーに欠けるものになってしまいます。日ごろからどのように機会をうまく捉えていくかです。先ほどのいわき市のことも、大学としてはありがたい話なんですね。行きたくても、なかなかそんなに簡単に行けるわけではないので、そういうときに、機動性を発揮できるような組織体制を日ごろからどうつくっていくのかが、重要になってくるんですね。東浦:そこには、資金の問題があると思うんですけど、その辺はどうでしょう。高田:今回は要請があった先からの資金提供というか、研究費というかたちでの提供です。問題は、お金のこともさることながら、長期に同じ人を送るということが大学の場合は難しいということですね。赤十字が災害拠点病院のようなかたちで、そこで訓練して人材を育成する、その人を長期に派遣する体制と、大きな違いがあるところかなと思うんです。ただ、大学教員が、どういう形でそれをしていくべきなのかということについては、今の段階ではできる範囲で、交代々々でいくというかたちを取っているんですけれども、これがよいのか、あるいはもう少し長期に行く人をつくったほうがよいのかというのは、これから考えていくべきかなとは思っていますけど。小原:それに追加なのですが、そういった大学の機運、機動性みたいなものをつくっていくのは、トップの先生の考え方が大変に反映しているものと思います。今回いろいろと私のほうにも、高94人道研究ジャーナルVol. 1, 2012