「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 97/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012田先生から、「こういうのがあるから、ぜひ、書いて出しましょう」と言われ数回、災害看護関連支援事業に申請する機会がありました。採択されることで、その資金を使っ....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012田先生から、「こういうのがあるから、ぜひ、書いて出しましょう」と言われ数回、災害看護関連支援事業に申請する機会がありました。採択されることで、その資金を使って実際に運用していくことは結構大変なことですが、積極的な取り組みが大学に対してインパクトにもなっていると思います。またほかの領域の先生方も、災害看護関連プログラムに取り組むチャンスが出てきています。特に若い先生方は現地に行ってみると、ぜひ、またやっていきたいという反応が見られています。なるべく若い先生に現地に行く機会を作って頂きたいと思います。災害看護に取り組む場面をつくっていくことは、大学の災害看護に対する方向性を変えていく戦略として感じられます。また3・11後、他大学も支援活動に動けていたかというと、そうでもないんですね。赤十字関連は動いているかもしれませんけど、その持っていき方はあると思います。戦略を持っている先生がトップにいてくれたことが大きいと思っています。東浦:戦略的研究基盤形成では、今まで災害にはほとんど関わってこられなかった先生方が、ご自分の専門分野からの災害関係の研究をしていただくようになっている。それから、看護大学として悩みの種というのは、国試との関係から、留学生を迎え入れるのはなかなか難しい。今回のプロジェクトでは客員研究員として来ていただいて、実際に学生とも関わっていただくという中で、あちらから学ぶこともいっぱいあると思うんです。こちらから、何か教えるというようなことを考えがちだけれども、学ぶことのほうがいつもたくさんあると思うのです。看護部長として、これから、大学あるいは専門学校に対して、こういうことをぜひやってほしいんだというような、そういう新しい基軸といいましょうか、何かお考えになっていらっしゃることはおわりでしょうか。浦田:赤十字社は、災害看護や国際救援の事業をしています。その事業に一緒にやっていただくというかたちを、できるだけ作っていくようにしています。例えば、インドシアの災害看護教育導入や陸前高田における看護支援、いわき市での支援などです。大学は、研究機能を持っていますので、実践をどう分析し、今後につないでいくのかという提案をしていただく。あるいは、理論化していただく。また、教育機能では、先生方の体験を通して、自分の言葉で赤十字や赤十字の活動をお伝えするというのが教育になっていくし、赤十字の理念を、浸透していく教育ができると思っています。体験していただくということがとても大事だと思っています。ですから、先ほど高田学長が、1人の人を長期に出していくのか、あるいは、いろんな人にというようなお話がありましたが、最初には、東日本を契機にしてみんなが目覚めた時期でありますので、いろんな人が体験してもいいのかなという気がします。できるだけ多くの人に体験していただいて、被災地には迷惑を掛けることもあるかもしれませんが、そういうことから始めていって、専門家を育てていくことが大事だと思っています。私は、例えば、スマトラのときは、スマトラ沖地震・津波の支援金を使ってやったわけですが、いろんなお金を獲得し、資金を作って、大学と一緒に共同事業をやっていくということをできるだけやっていきたいなと思っています。東浦:さっき、海外から来たお金、500億円以上ですか、今度の国際会議の決議でも、その相当部分、10%だったと思いますけれども、その社の組織開発のために使うことになっているのですね、人道研究ジャーナルVol. 1, 201295