「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 98/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012日赤の場合は20億円ですか、わずかに4%ですが、組織開発のためにと考えられている。ただ、救援物資の購入とか、車両がどうのこうのとかという話ばっかりしか聞こえて....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012日赤の場合は20億円ですか、わずかに4%ですが、組織開発のためにと考えられている。ただ、救援物資の購入とか、車両がどうのこうのとかという話ばっかりしか聞こえてこない。実は人材育成が、非常に重要なんじゃないかなと思いますけれども、その辺は、看護部長、いろんな資金を集めて来られるって言うんだったらば、どうなんでしょうね。浦田:できるだけ具体的な計画を示して、学園のほうからもご提示いただきながら、できるだけ獲得するよう努力をしたいと思っております。東浦:別に、500億円だけの、海外からのお金だけに限る必要はないと思うんですけどね。大学は大学で、科研費だとか、財団からとか、いろんなところの経費をもらってくるという努力はこれからもしていくわけですけれども。さっきDNGLのお話が出ましたけども、高知、兵庫、県立ですね。それから、千葉と医科歯科、国立ですね。日看大だけが私立ですね。初年度納付金を比較すると、3倍以上の差があるわけです。高田:共同教育課程を5大学でするので、言ってみると、どの大学に、大学院に入った学生も、同質の教育は受けられるわけですよね。そうすると、授業料の安いところへ入りたいと思いますよね、普通に考えて。日赤に誰も入ってくれないんじゃないかという、この授業料の差を、格差を是正しなければ、とても難しいのではないかという、そこの懸念がとても大きいわけです。東浦:これからの後継者づくりについて、これを契機として、どれだけ真剣になって考えていくのかどうかにかかってくると思うのですけれども、五十嵐局長、どうですか。五十嵐:まあ、基本的にはやっぱり人ですからね。人をどう育てるかということ。これは、長い目で見なきゃいけないのと、結果がかたちで現れてくるというのは、必ずしもすぐとか、目に見えるような点とかは出ないんですけども、ただ、東日本の大震災で、いろいろな私たちの学んだことの課題の一つとして、そこがやっぱり新しいことをやる一つの出発点としては、非常にいい機会じゃないかなという感じがするんで、そのことをやっぱり全体が認識して動く必要がある。とくに赤十字の場合、本当であれば、学園とか、本社だとか、連盟だとか、ICRCだとかって、いろいろ赤十字のところにいろんな名前が付いているんですけど、赤十字は、基本的に赤十字でいいんじゃないかと思っているんで、あんまり何ていうんですか、縦でものを見るというよりは、それぞれの役割とかが異なったりしているだけの話なんで、それをいかに結集させるか。外部から見れば、赤十字は、別に大学であろうが、本社であろうが、病院であろうがですね、赤十字は赤十字なんで、その中のやはり人材をどう集約して、経験を積んで育て上げるかということを考えるべきなんで、あんまり縦に物事を考えると、お役所的になってしまったりします。そういうふうな発想はやっぱり赤十字としてはやるべきじゃないと思うんですね。せっかくこういうきっかけをもらったわけですから、そこで、共通でお互いに理解できるということであれば、それをぜひ生かして、実現させていけたらいいなというふうに思います。96人道研究ジャーナルVol. 1, 2012