「人道研究ジャーナル」創刊号

「人道研究ジャーナル」創刊号 page 99/216

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Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012小原:今のお話ですが、ぜひそのように変わっていくことを望んでいます。私も、大学にいながら、救護活動のほうに自分もできるところは行きたいと思いますが、組織が違....

Journal of Humanitarian Studies Vol. 1, 2012小原:今のお話ですが、ぜひそのように変わっていくことを望んでいます。私も、大学にいながら、救護活動のほうに自分もできるところは行きたいと思いますが、組織が違うからって結構言われます。それは、そんなに大変なことなのかなって。いろいろ話し合いをして、「こころのケア」班で6月に出させていただいたのですけども。そのように、学園本部との違いというところでは、割とおっしゃられる方があります。特に、中間管理者の方はそういうふうに思っているみたいですが。五十嵐:確かに、災害救助法だとね、費用の。小原:そう、費用負担がある。五十嵐:費用の負担は、その工夫の仕方だと思うんですけどね、いろいろやり方はあるんで。小原:規約を変えていただかないと。風通しを良くするのは難しいと思います。五十嵐:災害では、いろいろなことが一遍にわっと来ますから、みんなプレッシャーを抱えた中で仕事をしていて、ストレスになっているわけです。準備されていることはできるけども、新しい局面に対してどうするかということには、もうやることが目の前のことでいっぱいになって、それ以上のことは、ちょっと勘弁してほしいなというふうな見方も出てきてしまう。小原:だからこそ静穏期においてはそういう仕組みも、経験知や学びの元で変えていくことが必要かと思います。五十嵐:そうです。ええ。やっぱり誰が何のために赤十字が存在するのかということを考えたときに、自分たちのために存在するわけではない、被災者なり、手を差し伸べるべき人たちのためのことをまず考えてどうするかということを、まず、発想の原点に置いとかなければいけないので、そこを外してしまうと、自分たちの論理だけで物事を進めようとしてしまう。浦田:私も、その組織を超えてというところで、今回非常に困ったことは、赤十字外のボランティアの看護師さんで、救護に行きたいという人たちから、連絡が来たんです。しかし、赤十字の看護ボランティアというのは、ほとんど災害看護ボランティアではなく、病院で、患者の介助や医療材料作り等のボランティアで、ボランティアは、高齢者の方が多いんで。そこで、赤十字の看護ボランティアに組み込めなかったというのがありました。また、各赤十字看護大学から、学生をボランティアとして出したいと言ってきますが、その学生たちは、赤十字のボランティアに入っていない。入っている人もいますけど、入っていない人たちは、赤十字ボランティアとして組めないんです。ですから、各大学は別途大学名で行きました。赤十字からのボランティア派遣になっていないんです。五十嵐:それは、大学での課題でもあると思うのです。学生奉仕団というのがありますが、今は実態としてなかなか活動するのが難しい状況です。東浦:話が尽きないようですけれども、最後に、これだけはどうしても言っておきたいということ、どなたからでも結構です。浦田部長さんから。浦田:要は、赤十字の事業と、学校と、もう少し一体化して、活動や研究を行う。大学で赤十字人道研究ジャーナルVol. 1, 201297