「人道研究ジャーナル」Vol.2

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013看護評議会委員、小原教授らの参加のもと、災害看護ワークショップを開催:約30人、平成24年9月18 - 19日、赤新月准助産師学校の災害看護シラバス16時間の内容が討議された。その後、災害看護テキストの内容について各章の大、中項目が検討された。現在、各章の内容、および全体の流れについて再検討が行われている。4.4ヵ国が学び合ったタイ赤十字看護大学におけるトライアル授業平成24年2月の本邦研修では日本式教授法、補助教材が使用されたが、それを実際にどのように各国に応用できるのか、未知数であった。12月22 ? 23日のタイ赤十字看護大学で実施された災害看護トライアル授業では、タイは見事に日本での学びをタイ式に適用させ、安価な材料でマグネットの試用教材キットを導入することに成功した。人の形、救急車、消防車等がブリキ板でスタンド型に作られマグネットのトリアージ4段階(緑、黄色、赤、黒)も取り付け可能であり、机上シミュレーションは臨場感溢れるものとなった。次に多数の傷病者を助けるために瞬時に行うトリアージの練習は、インターネット上でできる仕組み(E-learning)が考案され、正解が得られるまでトライして理由を確認することができるような仕組みとなっていた。5.海外の学会での広報活動本プロジェクトの代表研究者である東浦洋教授は、マレーシアのクアラルンプールで平成24年10月3 - 7日まで開催された2つの学会へ出席した。1アジア太平洋救急・災害看護ネットワーク(AsiaPacific Emergency and Disaster Nursing Network,APEDNN)2第3回国際災害看護会議・第17回マレーシア・シンガポール看護会議(The 3rd InternationalNursing Conference on Disaster Nursing inconjunction with the 17th Malaysia-SingaporeNursing Conference)これらの会議には主にアジア大洋州の国々で災害看護、救急看護のネットワークを構築し、研究や地域再生に関心を持つ30ヵ国の70人が出席した。会議は、各セッションに分かれて行われ、災害の各サイクルにおける看護職の活動、心のケア、復興期における経験の共有、組織間のネットワークの必要性、災害看護の教育方法などについて討議が行われた。本プロジェクトのフライヤー(次頁参照)を配布した。プロジェクトの内容について多くの人が関心を示し、プロジェクトの成果についての情報交換、ネットワークへの参加について積極的な要望が寄せられた。6.タイで開催されたHelp Age主催「災害時の高齢者の看護」へ出席タイの2名の研究員は、上記の国際会議へ出席し、個人の研究について有益な情報を学んだ。この会議には、日本赤十字看護大学の国際・災害看護領域の岡本菜穂子講師が出席し、東日本大震災における高齢者問題に関するHelpAgeとの共同研究の中間発表を行った。7.日本の学会での発表7月28日、第14回日本災害看護学会において、口演した。また、平成25年1月17日の第18回日本集団災害医学会において発表(ポスター)。Ⅱ.国内での活動1.平成24年度:研究員6名の本邦研修および研究平成25年1月24日~2月9日(17日間)、インドネシア、バングラデシュ、タイの研究員6名が日本赤十字看護大学を拠点に、執筆中の「災害看護テキスト」について日赤側研究者らと協議した。期間中福島県浪江町町民の避難地を訪問し、被災者らと懇談し、復興期における被災者のニーズと看護職の役割について学習した。また、日本赤十字看護大学で行われた2つの災害看護セミナー1災害・紛争の現状と看護職の役割、2防災・減災セミナーに参加した。看護の専門性を発揮しながら、医療チームのリーダーやコーディネーターとして自立した働きをしている講師でパネリストである国際赤十字・赤新月社連盟と赤十字国際委員会の看護職に1つのモデル像を重ね、多くの示唆を得た。また、2番目のセミナーは、日本、タイ、バングラデシュ、インドネシアの災害と災害看護教育の現状について情報交換の場となった。このセミナーは、日本赤十字看護大学を含む国公立の大学が平成26年度に開講する共同博士課程「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」プロジェクトの主催で開催されたが、このようなコースが日本でオープンすることに対してもアジアの研究員ら人道研究ジャーナルVol. 2, 2013127