「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 180/276

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013若者は、年齢に応じて必要となるスキルや経験、安全性、快適性を考慮しながら各社のすべての活動に従事する。彼らは、自らが提供または利用する赤十字・赤新月のサービスの企画立案や設計、実施、評価に完全に関与するよう奨励される。各社は、青少年ボランティア(特にユースリーダー)に、国内のみならず国際的なレベルで意思決定プロセスに参加する機会を与える。若者は、各社の本社および支社レベルで運営管理に完全に組み込まれる。各社は、若者の役割を最適化できる環境に合わせて彼らを統合型の組織に組み込むことも、また若者のみの組織を形成することもできる。各社は、連盟のボランティア政策に応じて青少年ボランティアを活用するとともに、年少のボランティアには年長のボランティアとは異なる新たなニーズがありうることを認識する。特に各社は、活動を共にする若者の安全に十分注意する。各社は、ボランティアやメンバー、スタッフである若者に学習や訓練を通して個人的な専門能力の開発を進める機会を提供する。また彼らに、現在および将来、リーダーシップを発揮できる役割を用意する。若者が自ら立ち上げた国内・地域・国際ネットワークを、赤十字・赤新月運動全体で知識と革新技術を共有する貴重な手段として強力に推進する。各社は、若者のリーダーシップ育成と具体的なアイデアや革新技術、活動に関する情報交換を目的としたこれらのネットワークに、若者の代表者が参加することを積極的に奨励し、支援する。若者は、ユースから成人組織への移行を支援する各社の効果的な体制により、壮年として引き続き各社で積極的役割を果たすよう奨励される。受益者としての若者現代のグローバル化した社会では、世界中の若者が前例のない困難に直面している。この困難とは、暴力や搾取、差別、薬物乱用、怪我や病気、失業、金融経済危機による貧困、人身売買、移住、都市化現象などである。また、個人的・社会的行動への同世代の否定的な圧力、および新しいコミュニケーション技術やソーシャルネットワークの無防備な利用により、新たなリスクが生まれる可能性もある。このような脆弱性に対処し、若者が直面するリスクを自ら管理・緩和できるようにするためには、若者が所属するコミュニティに順応し、責任感と思いやりのあるメンバーとして成長できなければならない。そこで赤十字・赤新月のサービスの計画と実施に当たっては、彼らの安全確保と保護、年齢や男女の差に配慮した育成ニーズに特に配慮する。ユースポリシーの影響ユースポリシーの円滑な導入により、赤十字・赤新月社に参加する若者や、壮年メンバーとして各社に留まる人々が増えると期待される。また、若者が参加できる各社の活動や取り組み、および各社で管理や指導の役割を果たす若者の数も増えると思われる。若者は、各社の強化につながるような良質で影響力の強い活動に携わるだろう。ユースポリシーの影響は、全連盟規模の報告システムで各社の報告を収集し、2012年に定めた基準との比較によって評価する予定である。各社には、それぞれの活動やサービスにおける若者の関与を追跡するため、新たに個別の手順を作成するよう奨励する。178人道研究ジャーナルVol. 2, 2013