「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 183/276

電子ブックを開く

このページは 「人道研究ジャーナル」Vol.2 の電子ブックに掲載されている183ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013選挙規範選挙管理委員会により採択付属文書2A ?はじめに1.選挙規範の適用範囲この選挙規範は、国際赤十字・赤新月社連盟の会長、副会長および各国赤十字・赤新月社の理事会メンバーの役職選挙に適用されるものである。この規範は、候補者と(候補者および投票者としての)各国赤十字・赤新月社、選挙の準備または候補者の支援に携わるすべての人々に適用される。2.選挙規範の目的この選挙規範の目的は、候補者と各国赤十字・赤新月社、およびこれらを支援する人々が、選挙運動中にどのような行動が禁止され、どのような行動が許可されているかを判断できるようにすることである1。この選挙規範は、候補者の信頼性に何ら疑いを投げかける目的もなく、彼らの活動を調和させ、支援者らが善意で過度の活動に走ることを回避する必要に応えるものである。またこの規範は、候補者の平等と透明性を確保することを目指すものである。その意味では、候補者とその支援者は、連盟の人道組織としてのあり方と様々な候補者の資金力の差を考慮し、選挙運動の資金を抑えるべきである点に留意する必要がある。3.任命手順への適用各国赤十字・赤新月社とこれらが連盟の管理部門に推薦する候補者らは、任命手順に同じ原則を適用するよう推奨される。B ?行動原則4.国際赤十字・赤新月運動の基本原則、価値と理念すべての候補者、投票者、および選挙運動や選挙プロセスへの参加者は、同じ権利を享受する。また彼らは、常に赤十字・赤新月運動の基本原則を遵守し、次のような運動の理念と価値を尊重する義務を有する。選挙における政争により、人道への配慮が損なわれてはならない(人道)。候補者の選挙活動は、品位と節度のあるものでなければならない。また、他の候補者や選挙プロセスを最大限に尊重しなければならない(人道)。討論は、候補者の事業計画や人道問題を中心に進め、政治、人種、宗教、イデオロギーなどの見解の分かれる問題を避けなければならない(中立)。選挙は、連盟とメンバーである赤十字・赤新月社の内部問題とみなされなければならない。民間団体か政府機関かに関わらず、第三者の関与は適切でないと考えられる。活発に候補者を擁立する各国政府は、連盟の独立性を損ない、結果に不当な影響を与える恐れがある(独立)。すべての候補者は、選挙規範の規定を遵守するという条件のもとで選挙活動を行う権利がある(世界性)。すべての赤十字・赤新月社は、同じ権利と義務を有する(世界性)。1「選挙運動」は、通常、正式な候補者の募集後に始まるとみなされる。しかしこの選挙規範は、選挙や任命を確実にするために実施されるとみなされるすべての活動に適用される。人道研究ジャーナルVol. 2, 2013181