「人道研究ジャーナル」Vol.2

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013ある。この協議プロセスは、(様々な分析を実施し、P&R改訂版の草稿を作成した)前回(2009年)の改訂プロセスとその成果をもとに進められる予定である。協議と改訂は、理事会がP&Rに関する更なる明確化と協議、内容の変更・作成が必要とした重要分野を中心に行う。全体としてこの協議プロセスの目的は、幅広い赤十字・赤新月社と確実に協議し、P&R改訂版に彼らの意見を反映させることである。2.2改訂に影響を与える現在のトレンドと関連イニシアティブ前回のP&Rの改訂・協議プロセスでは、既存のP&R(1995年版)には十分反映されていないトレンドや成果(津波その他の大規模災害への対応から学んだ教訓、改訂版連盟憲章、新しい活動モデル、セビリア合意とその補足条項など)を考慮した。それから時が経過して今回は、改訂版P&Rを実際の活動に適した明確で実用的かつ、現実的なものとするため、さらに考慮すべき基準が複数あることが明らかになった。上記の成果に関して、次に挙げる他の関連イニシアティブはすでにその取り組みを開始している。これらはP&Rの改訂への重要な情報源となるか、またはP&Rの改訂プロセスで明らかになる課題に取り組む際の支援となるだろう。これらのイニシアティブは以下の通りである。緊急時の赤十字・赤新月運動と外部組織との関係2009年、代表者会議は、赤十字・赤新月運動と外部組織との関係に関する問題を話し合い、各国赤十字・赤新月社向けの実用的なガイダンスの作成を呼びかけた。そこで現在、2011年の代表者会議のために、赤十字・赤新月運動と外部組織との関係や人道組織におけるトレンドとこれらが赤十字・赤新月運動に与える影響などの概要をまとめた報告書の作成が進んでいる。この報告書では、運営面を中心として国連機関や各NGO、各国政府、軍、民間組織との関係における重要問題と課題を取り上げるとともに、赤十字・赤新月運動の既存のポリシーや指針も評価する。その後、どの分野で新たなポリシーや指針を作成するか、またはこれらを改訂する必要があるかについて提言を行う。改訂版P&R文書に外部組織との関係についての新たなセクションを設ける案があったが、理事会から不明瞭との批判を受けた。2011年に代表者会議に提出する外部組織に関する報告では、赤十字・赤新月運動と外部組織との関係をめぐる問題をより詳しく分析して提供し、今後の指針に一貫性を与えるための共通の枠組みを提案する予定である。今後、改訂版P&R文書に組み込むべき明確で実用的かつ現実的な規則や指針を特定するため、「緊急時の赤十字・赤新月運動と外部組織との関係」イニシアティブを前進させる必要があるだろう。市民保護団体との連携2010年初めにジュネーブの連盟事務局とICRCは、国際的な災害対応において様々な市民保護団体との連携が増加していること、また多くの赤十字・赤新月社が国境を越えた災害対応に向け国内の市民保護団体との提携(多くは各社が補助的役割を果たすことで許可される)にますます関心を高めていることを踏まえ、これについて話し合うため赤十字・赤新月運動の作業部会を創設した。当初、作業部会の活動の中心は、欧州連合の国際緊急対応部門(DG ECHO)の市民保護機能の強化に対応し、赤十字・赤新月運動の指針を作成することであった。しかし作業部会は、赤十字・赤新月運動の原則と価値を守りながら市民保護団体と連携するための方法について、各社向けの世界的な指針の作成を視野に入れている。市民保護のための各社向け指針の開発を推進することは、今後の改訂版P&R文書に組み込むべき明確で実用的かつ現実的な規則や指針を特定するうえで重要となるだろう。災害マネジメントポリシーの改訂-復興ポリシー2007年、連盟事務局は、すべての災害関連ポリシーについて監査を実施し、どの程度明確で一貫性のある最新の意思決定基盤となりうるかを評価した。この監査をもとに理事会は、ポリシーの枠組み全体を改訂するという方向性の提案を承認した。しかしその後2008年に、ポリシーの改訂は、「2020年に向けての戦略」の192人道研究ジャーナルVol. 2, 2013