「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 206/276

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013International Humanitarian Law ? a handbook for parliamentarians)』を配布する予定でいる。これらのイニシアティブは、世界中の政策決定者らに「我々は何者か」のより良い理解を促す手段である。国会議員らが補助的な役割について、また赤十字・赤新月運動の活動と使命について深く理解することで、大きなメリットが得られるだろう。しかし深い理解には、組織としての能力や、HD分野での事業遂行能力が伴わなければならない。そこで確かな根拠をもとに、解決策に焦点をあてたメッセージを提供することで政府職員と協力しなければならない。結局、政策決定者との意味ある対話を継続するには、我々のメッセージが信頼されなければならない。そこで意味ある補助的関係を促進するには、2つの要素からなるプロセスが必要となる。そのひとつは政府と国会議員の理解と認知を高めること、残るひとつは組織としての事業遂行能力を示し、有益なアドバイスを提供することである。2.国際会議のおもな役割国際会議は、赤十字・赤新月運動が人道分野の課題に影響を与えるための最も重要な機会である。この会議は運動全体にとって、人道関連問題を世界レベルで提起する貴重な機会となる。そうなれば、これらの問題には、(事務局またはICRCの主導で)国際舞台におけるHDとして対処するとともに、各社とその政府の対話を通して国内レベルでも対応できる。国際会議は、各社の代表とICRC、連盟が各国に対して平等の立場として参加するフォーラムとみなされ、その場で採択された決議は、効果的に利用されれば大きな重みを持つものとなる。この国際会議の決議は、運動全体およびジュネーブ諸条約の締結国の意思を担い、大きな説得力を持つものである。この説得力は、2007年、ノルウェー赤十字社が決議1(Together for Humanity~人間を救うのは、人間だ。)を利用して気候変動とその人道に与える影響について政府と取り組んだことで証明された。同様に、各国赤十字・赤新月社がそれぞれの政府と共同で誓約を作成する際に対象とする分野は、各社がこれまで築いた補助的な関係を強化する上で最適の機会をもたらす。政府との共同誓約を作成する際には、国際会議の期間やその前後に当該社がその政府の担当部門と隣り合わせて着席するチャンスが増え、お互いの利害や懸念に関わるテーマについて話し合うことができる。このHDに関する戦略的枠組みは、国際会議の期間やその前後に発生するHDにおける大きなチャンスを認識しており、ここで話し合われるべき主要テーマに沿って作られている。3つの重点分野はすべて、国際会議で何らかの形で言及される予定のテーマである。事務局は、3つの重点分野の各テーマにできる限り多くの資源を投入することにより、各国赤十字・赤新月社が国際会議の成果から最大限の利益を得られるよう支援する予定である。これは、我々が重点分野に集中することができるからこその利点であり、事務局にとってと同様、メンバー各社にも大きなメリットがある。HD実践コミュニティによって、我々は、国際会議の期間やその前後に会議テーマをより効果的に利用するためにメンバー各社が必要とする以下のツールを提供し、メンバー各社を強化することができるようになる。◆3つの重点分野に関する分析データ、課題の概要、政策提言レポート、主要メッセージ。国際会議の有無にかかわらず、各国赤十字・赤新月社は、これらの資料を政府と継続中の協議の基盤として使用できる。これらの資料は、赤十字・赤新月の各地域・各国の代表が使用することもできる。◆メンバー各社に決議の拘束力やモデルとなる誓約、一般的な「補助的な役割」についての情報を提供するツール。誓約はHDツールとして利用できるが、この機能はまだ十分活用されていないため、今年の国際会議の議題となるだろう。◆各社がそれぞれの政府に国際会議への出席を働きかける際の協力。◆今年の総会のHDワークショップにおけるHDマニュアルの作成着手。3.能力開発ツールHDポリシーは、政策提言や交渉、コミュニケーション、外交の経験やスキルを持つ人々を積極的に採用することで、メンバー各社に「HDの概念を各社の文化として定着させる」よう求めている。204人道研究ジャーナルVol. 2, 2013