「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 209/276

電子ブックを開く

このページは 「人道研究ジャーナル」Vol.2 の電子ブックに掲載されている209ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013?人間の尊厳や尊敬、多様性、平等性、一体感、奉仕といった人道的価値観を育む非暴力と平和の文化を構築するため、建設的・協力的なパートナーシップの必要性を各国赤十字・赤新月社と共同で強調する。?赤十字・赤新月のコミュニティベースのボランティアが、草の根レベルで人々を力づけ、変化を促す存在となることを示す。?各国政府に対し、価値観に基づいた形でのパートナーシップの運営を可能とし、かつこれを支持するような環境(法的環境など)を整備するよう、各国赤十字・赤新月社が(自らの補助的な地位を通じて)働き掛けることを推奨する。?人道教育を社会的変化の起爆剤として位置付ける。HDの望ましい成果HDが円滑に追求されれば、今後次のような結果が期待される。?連盟がコミュニティに圧倒的な影響力を誇る費用対効果の高い革新的なネットワークの「最後の要」と認識される。?連盟が災害、医療、開発、非暴力の分野で政策決定者やオピニオンリーダーにコミュニティの視点と解決策に基づくアプローチを提供し、原則に基づいた信頼性の高い代表的ネットワークとして位置付けられる。?連盟の視点と専門性が人道・開発の方針や協議事項の決定・改訂の場に求められる。?連盟の影響力が立法上(特に災害法の分野)の政策提言において高まる。?連盟の最弱者層へのサービス提供が(特に緊急時に)拡大する。?人道原則、ボランティア・スピリット、救急法の訓練、非暴力の文化がますます重視されるという形で、連盟の独自の価値とリーダーシップが促進される。?連盟の「市場」シェアやブランド、パートナーシップが適切な戦略やツールを通して強化される。?少なくとも70%の各国赤十字・赤新月社が、その補助的役割を強化するHD戦略/行動計画を導入する。?効果的かつ包括的なHD実践コミュニティが整備される。?連盟事務局がG20、世界経済フォーラム、国連総会などのおもな世界的フォーラムで弱者の利害を代表する能力を身につける。? 2011年の国際会議の結果が、赤十字・赤新月の国内外に対する役割と活動を最大化するための重要な出来事となる。? HDの影響力が世界の学術機関やシンクタンクのフォーラムでますます頻繁に議論される。結論この戦略的枠組みは、前述したHDツールやネットワーク、世界的リーダーシップへの強い意志を各国赤十字・赤新月社と事務局の双方が自分のものとし、これらが世界でHDに携わるますます多くの赤十字・赤新月スタッフの血肉となれば、との希望と期待に基づいて作られている。従ってこの戦略的枠組みの成功は、これらのツールやネットワーク、世界における重点分野などが、各国赤十字・赤新月社の共感をどの程度呼ぶか、また、国内レベルでHDをより効果的に活用するために各社がどの程度これらを利用するかで判断される。国内レベルでHDが効果的に活用されているかどうかは、各社とその政府の間で行われている相互の懸案に関する対話によって、また、一般向けキャンペーンが実施される場合はこれが効果的で的確かどうかによって判断できる。各国赤十字・赤新月社のHDネットワークへの関与が実践コミュニティのように深く、広くなればなるほど、より幅広い社から関連情報を収集し、模範事例を継承し、豊富な根拠を蓄積・利用できるようになるため、我々の能力も高まる。世界レベルの問題にさらに注力し、パートナーシップに対してより戦略的に取り組むことにより、赤十字・赤新月のHDコミュニティの包括性がますます高まり、国内レベルの取り組みに大きく活かさ人道研究ジャーナルVol. 2, 2013207