「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 214/276

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The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013ける、効率的かつ優良な実験室慣行の徹底。?血液の効果的臨床使用による、不必要な輸血の削減。ただし、各国赤十字・赤新月社は持続可能で質の良いプログラムの全側面について慎重に考慮する必要があり、レベルAの活動を引き受けることを検討している場合には、当該の赤十字・赤新月社は、1.それを行うための明確な委任を政府から受けていなければならない。2.規制上の要件に従い、適切な血液安全対策を実施するための能力を有していなければならない。3.場合によっては、当該赤十字・赤新月社の資産を血液事業から分離するために別法人を設立する必要性を検討することも含めて、あらゆる法的責任を管理する能力が求められる。また、独自の役員、理事会、予算を持って独立することにより、国の血液プログラムの成功にとって不可欠な国民の信頼と信用が増大する可能性もある。赤十字・赤新月社の血液プログラム支援の枠組み連盟は基本原則(Fundamental Principles)に従って、WHOとともに100パーセント自発的献血の達成に尽力しており、両者は血液の安全および可用性の分野において長きにわたり協力してきた。このパートナーシップの強みは、国および世界的なレベルでの相補的・相乗的アプローチに由来する。我々の戦略的協力によって以下に挙げる3つの主要な成果が達成されており、それぞれが支援の世界的枠組みとなっている。(1)連盟の支援を受けて、「血液の安全」が2000年4月7日のWHO世界保健デーのテーマとして指定された。(2) 2004~2005年に世界献血者デーが創設・制定された。現在この記念日は、献血の重要性についての意識啓発、および救命と健康改善における自発的無償献血の貢献の認識のため、毎年6月14日に祝われている。(3)「100パーセント自発的献血に向けた行動のためのWHOと連盟の世界的枠組み(WHO/IFRCGlobal Framework for action-towards 100 per cent voluntary blood donation)」が、2009~2010年に発表された。献血者の募集や100パーセント自発的無償献血のアドボカシーにおけるベストプラクティスについて主要関係者を支援するために作成された連盟の主要ツールが、「変化をもたらすために・・・自発的無償献血者の募集(Making a Difference…recruiting voluntary, non-remunerated blood donors)」である。これは、現場のスタッフが自発的無償献血者の動機付け、募集、保持を行い、家族・代替者献血への依存を徐々に減らすうえで役立つ自助マニュアルである。各国赤十字・赤新月社と連盟は、血液事業に関連するガバナンスとリスク管理の問題について、各国赤十字・赤新月社に一般的な支援や助言を資源の許す範囲で提供する専門家グループ(GAP)を創設した。各国赤十字・赤新月社と協力するうえでGAPの主要ツールとなるのが「自己評価」と呼ばれるアンケートである。このアンケートは、?各国赤十字・赤新月社が、血液プログラム活動により自らがリスクにさらされ得る潜在的な問題領域を特定できるようにする。?コーポレートガバナンスとリスク管理の改善のための戦略を提供する。その一方で、姉妹社に対する継続的支援として、また連盟の精神に従って、各国赤十字・赤新月社間でのベストプラクティスの共有が奨励されている。これは、連盟と各国赤十字・赤新月社がこのヘルスケアの専門分野において有している競争上の優位性を維持、拡大するためである。各国赤十字・赤新月社が自身の血液関連活動についての一切の責任を負うということが、明確に認識、理解されている。連盟、GAP、または援助を行う各国赤十字・赤新月社のいずれかにより提供される支援によって、212人道研究ジャーナルVol. 2, 2013