「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 219/276

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

International Federation of Red Cross and Red Crescent SocietiesFederation-Wide Resource Mobilization Strategy Resourcing our shared future要1旨我々世界中の各国赤十字・赤新月社は、個別に、また協力して活動することによって、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の「2020年に向けての戦略」の戦略目標を実現するために資源動員機会を最大化することができる。「2020年に向けての戦略」の実現のための行動に基づいた、「連盟全体の資源動員戦略」(以下「戦略」と称する)の目標は以下のとおりである。1.緊急事態のための資源動員における優位性を維持する。2.国際・国内活動のための非緊急時収入を増加させる。3.各国赤十字・赤新月社の資源動員能力を増進する。これらの目標を達成することにより、国際赤十字・赤新月社連盟(各国赤十字・赤新月社および事務局)は、世界最大の人道ネットワークとしての地位を維持することができ、「より多くのことをなし、よりよい活動を行い、より一層運動を広めていく(do more, do better, and reach further)」ための資源を確保することができるようになる。各国赤十字・赤新月社と事務局の現在の資源動員方法が全て効果的に機能していれば、この戦略は必要なかったという点に留意する必要がある。中には、各国赤十字・赤新月社が資金調達・資源動員戦略において優良な取り組みを実施しており、資源動員方法が全て効果的に機能しているケースもいくつかある。しかしその他のケースでは、明らかにこのベンチマーク、ひいては我々の潜在力に達していない。本戦略は、全国的・世界的な資源動員の能力と目標の妨げとなるような慣行を廃止しつつ、資源動員における我々の強みと競争上の優位性をさらに増強するうえで役立つものである。そのためには、各国赤十字・赤新月社がそれぞれの市場において競争力を持ち、連盟が統合的な(連盟全体の)アプローチを採用することが最も重要である。各国赤十字・赤新月社と事務局が相互の役割と責任についての集団的理解に基づき統治される統合的なアプローチを通してのみ、上述の目標の達成が期待できる。統合的措置を講じなければ、我々の資源動員潜在力を達成することができず、世界の最弱者層の拡大するニーズを満たすことができない可能性がある。本戦略は、連盟が世界をリードする人道ネットワークであり続けるために取り組まなければならない5つの重要課題に基づき作成されている。?緊急時収入をめぐる競争の激化─連盟は、緊急対応活動支援のための全世界の収入のうち最大額を得ているが、国連機関や国際非政府組織(INGO)などのいくつかの競合機関がこの分野に参入し、収入増のため217