「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 220/276

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies1 Executive summaryに重点的な投資を行っている。?非緊急時収入の伸び悩み─緊急時収入を除くと、連盟の収入は、過去3年間でわずか2パーセントしか増加していない。一部の市場では、INGOの平均収入増加率が6パーセントであるのに対し、各国赤十字・赤新月社の収入は横ばい、もしくは減少している。他方、ワールド・ビジョンなどの一部の業績の良いINGOの収入増加率は14パーセントである。?国内収入に関する課題─各国赤十字・赤新月社は、しばしば国内市場最大の人道活動機関となっており、国内政府からの収入が主な収入源となっている場合が多い。しかし、非政府組織の数が増えたことにより、競争が激化している。この脅威に対処できなければ、多くの各国赤十字・赤新月社の主要収入源が損なわれる可能性がある。?連携活動─ドナーのニーズや嗜好は変化しており、それにともなって彼らが望む赤十字・赤新月社との協力形態も変化する。国際政府、多国間機関、欧州連合、各種財団の分散化による資金調達機会を最大にするためには、積極的にドナーに関与し情報を提供してこれらの嗜好を具体化する必要があるが、我々が具体化することのできない変化に対しても迅速に対応しなければならない。さらに、我々の潜在力を最大限に生かすために、多くの国で赤十字・赤新月と連携して活動することを望む企業(特に従業員寄付)に対し効果的に対応できるよう、我々の活動形態を適応させる必要がある。?不十分な能力構築─多くの各国赤十字・赤新月は、その資源動員潜在力を生かしきれていない。他の国際機関は、ブラジル、インド、中国などの開発途上市場に重点的投資を行っている。これらの機関には、資源動員力や現地支局の能力(知識管理から資金投資や訓練プログラムまで)を強化するためのより高度なシステムがある。これらの投資は、収入の増加や市場シェアの拡大といった形で実を結んでいる。指針同戦略では、上述の課題と我々の目標を考慮して、以下の指針を定めている。1.一般収入を最大にする。ただし全体的収入の増加を犠牲にしないこと。2.ドナーの利害を考慮し、効果的なスチュワードシップを提供する。3.資金調達の潜在力を最大にするため、赤十字・赤新月社を一つの団体として明確に打ち出す。4.「最適に配置された人材・組織」によってドナーにアプローチする。5.世界および現地における資源動員と資金調達について、証拠に基づいた意思決定を行う。6.測定可能な資源動員の達成目標を設定する。7.資源動員活動の費用に関連する支出を測定し、投資収益率(ROI)を許容可能な業界基準の範囲内に保つ。218