「人道研究ジャーナル」Vol.2

「人道研究ジャーナル」Vol.2 page 222/276

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

International Federation of Red Cross and Red Crescent SocietiesFederation-Wide Resource Mobilization Strategy Resourcing our shared future2資源動員のための世界的課題この「連盟全体の資源動員戦略」(FWRMSまたは「戦略」と称する)は、シニアリーダーシップ、および各国赤十字・赤新月社内外の資源動員の専門家による支援を受けた、資源動員傾向、調査、ベンチマーキング、競合者評価、内部業績分析の10ヵ月間に及ぶ見直しの成果である。また本戦略は、70を超える各国赤十字・赤新月社との協議が行われた過去の戦略策定プロセスにも基づいている。人道支援に対する需要の拡大と、「2020年に向けての戦略」の戦略目標の中で詳述された成長への抱負に応えるために、純利益増加の達成に重点を置いた資源動員(RM)戦略が必要となる。赤十字国際委員会(ICRC)を除く、全ての赤十字・赤新月社と事務局を合わせた連盟の合計年間収入は、200億米ドルと見積もられている。この調査により、赤十字・赤新月が現在多くの国において、またいくつかの主要な収入源において、資源動員の主導的地位を確保しており、事業に対する需要の拡大に応えるためにこの成功をさらに拡大する潜在力を有しているということが確認された。しかし、資源動員において世界をリードしているとはいえ、連盟の人道的目標を実現するためには依然として不十分であり、多くの各国赤十字・赤新月社は、コミュニティにおけるニーズの拡大に応えるために必要な資源の調達に苦労している。NSや比較可能な国際非政府組織(INGO)のサンプルデータセットについて、その成長と収入パターンを調査した結果、世界的不況にもかかわらず世界全体の資源動員市場は成長しており、主要収入源のほとんどにおいて今後も成長が続くとみられている。しかしこの調査によって、資源動員市場における主要な変化が明らかとなった。この変化の結果として赤十字・赤新月は、ドナーに対する我々の妥当性を確保するとともに、変わりゆく傾向から恩恵を受けるよう我々の位置づけを改めるために措置を講じなければならない。これらの変化は、内部要因と外部要因とにまとめることができる。外部要因は、環境の変化の結果として、赤十字・赤新月に対し外部の利害関係者との関与の在り方を見直す必要を生じさせるものである。調査結果の分析多くのドナー(機関および個人)は、それが誰でどこにいて何に関心を持っているかという点で変化している。調査によると、多くのドナーは一つの組織としての赤十字・赤新月と関与することを望んでいる。多くの国連機関やINGO(ユニセフやセーブ・ザ・チルドレンなど)は、世界的に統合された形で活動しており、大規模な活動や世界的ブランドとの提携を望むドナーをひきつけている。外部要因赤十字・赤新月は、コミュニケーション、関与、およびスチュワードシップにおける革新的なアプローチに投資することにより、ドナーとその変わりゆく利害に対応しなければならない。赤十字・赤新月のリーダーシップ(ボランティアとスタッフ)は、国内および世界で機会を獲得できるよう、全てのレベルで資源動員プロセスに関与し、これを支援しなければならない。220