「人道研究ジャーナル」Vol.2

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

International Federation of Red Cross and Red Crescent SocietiesAppendix One Strategy Map Methodologyアメリカの2人の研究者キャプランとノートンが、1990年代にこの手法を開発した。この手法には幾度か改善が加えられてきたが、戦略マップは最も現代的なアプローチである。このアプローチの主な利点は、それが単に戦略の策定に役立つだけでなく、戦略を実行に移し、かつその影響を追跡するうえでも役立つということである。戦略マップの作成は、本質的に単純な作業である。分析をもとに、一組の要因、または主要な内部・外部の懸念事項を作成する。次にこれらの要因をもとに、関連した一組の視点に沿って整理したいくつかの目標を作成する。その後、それぞれの目標について1つまたは2つの評価指標を設定し、それぞれの評価指標について関連した数値目標を定める。最後に、目標の達成を助ける一組のイニシアティブを特定する。民間企業の事例:サウスウエスト航空下のマップは、最も初期に作成されたものの一つで、アメリカのサウスウエスト航空(SWA)の例である。同社は、現在では世界中に普及している「低コスト航空会社」のビジネスモデルを考案した。同社のマップがそれほど頻繁に借用されていることからも、その効力がうかがえる。マップの左側にある4つの視点は、階層的ロジックを示している。収入を上げる(財務)には、顧客のニーズを満たさなければならない。顧客のニーズを満たすためには、強力な内部プロセスが必要である。そして強力な内部プロセスを手に入れるには、スタッフの関与を促しその能力を開発するための学習と成長が必要である。目標(右側の四角)は、全体的な収益性の目標を達成するために、それぞれの視点において実行すべき活動を示している。目標は、要因に対処するための方法である。これらの目標はロジックに沿って並んでいる。つまり、上から下にたどると「いかにして?」という問いに対する答えが得られ、下から上にたどると、「なぜ?」という問いに対する答えが得られる。この単純なモデルには、成功する低コスト航空会社の運営方法に関する非常に深い洞察が含まれている。この単純さが、成功するマップの重要な特徴である。財務低コスト化収益性向上収入増加顧客定時運行最低価格内部プロセス地上でのターンアラウンドの迅速化学習と成長企業目標に合致した地上勤務員234