「人道研究ジャーナル」Vol.2

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「人道研究ジャーナル」Vol.2

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 20131.関心を持つコミュニティづくりICRCはこの問題について、国際赤十字・赤新月社運動だけでなく、世界中の医療関連団体や医療援助機関、軍、政府から支援を得ることを目的としている。法の尊重を強化するために連携するこのコミュニティは、医療を守るために関係するすべての者の間で、その責任を自覚する文化を培わなければならない。2.定期的かつ組織的な情報収集患者や医療従事者・施設・車両への攻撃についてより理解し対応するために、事件の報告を体系的に収集し、同時に他の組織のデータと合わせて集約しなければならない。3.現場での実践の強化と改善ICRCは現在活動を展開している様々な状況において、医療へのアクセスを改善し保護するために多くのイニシアチブをとっている。経験と最善の実践例は、この活動領域での質の高いイニシアチブを奨励するために、国際赤十字・赤新月運動内でより広く、またより多様な医療ケア団体と共有する必要がある。4.物理的な保護の保証武力紛争や他の暴力によって影響を受ける国内の病院や他の医療施設は、敷地を物理的に保護し、その所在地や車両の移動を他に知らせるための手続きを進められるよう支援を受ける。5.赤十字社・赤新月社のスタッフとボランティアへのより安全なアクセスの促進ICRCは患者や医療従事者、ボランティア、医療施設・車両への脅迫について、データを集めて対応するために、赤十字社・赤新月社のスタッフやボランティアの一層の貢献を奨励する。6.国家との連動武力紛争や内戦の状況下で、医療ケアを保護するための国内法を導入していないすべての国家に対して導入を奨励する。ここには赤十字や赤新月の標章の使用の制限についての法律を制定し施行することも含まれる。7.国軍との連動医療ケアの保護に関して、行動規範に規定を組み入れていないすべての国軍に対しては、それを実施することを奨励する。この行動規範は、とりわけ、医療車両の通過や医療施設への立ち入りを促す検問所の運営に対応する必要がある。8.非国家武力集団と接触する国家の権限外で活動する武装集団は、医療ケアの保護に関連する法と実践についての対話に参加する。9.専門的な医療関連の団体および政府機関(healthministries)との連動この問題への連帯感を出すために、医療関連の政府機関や組織との対話を増やし、また医療従事者や施設、また医療行為を受ける人々に対する暴力についての報告と対応のあり方を改善する。10.学界の参加を奨励患者や医療従事者・施設への暴力の影響について学ぶ場を、公衆衛生、政治学、法学、安全保障の研究の課程の中に設置するよう、大学、他の教育機関やシンクタンクを支援する。赤十字国際委員会の使命赤十字国際委員会(ICRC)は、公平で中立、かつ独立した組織で、武力紛争およびその他暴力の伴う事態によって犠牲を強いられる人々の生命と尊厳を保護し、必要な援助を提供することをその人道的使命としています。ICRCは、国際人道法および世界共通の人道的諸原則を普及させ、また強化することによって人々に苦しみが及ばないよう尽力しています。1863年に設立されたICRCは、ジュネーブ諸条約および国際赤十字・赤新月運動の創設者でもあります。武力紛争およびその他暴力の伴う事態において、国際赤十字・赤新月運動による国際活動の指揮・調整にあたります。26人道研究ジャーナルVol. 2, 2013