「人道研究ジャーナル」Vol.2

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The Journal of Humanitarian Studies Vol. 2, 2013日赤42%、ボランティア35%だった。図3行政などの被災後の対応でよかった点と悪かった点-能登半島地震と新潟県中越沖地震との比較-行政などの被災地の対応でよかった点%020406080100比較的すぐに避難所に46.7入れたこと27.3被災後の行政を中心とする対応について避難所の開設が遅れたこと%0204060801001.20.6食料の配給開始が早かったこと45.966.3食糧配給が遅れたこと4.18.9給水車が早く来たこと41.959.1給水車が遅かったこと6.14.5自衛隊の給食・風呂などの支援消防・警察他の市町村などいろいろな機関が外から応援に来た日本赤十字社の支援があったこと39.842.545.142.362.681.3自衛隊の支援が遅れたこと他の市町村からの応援が遅れたこと消防・警察、市町村などの応援がすぐに引き上げてしまったこと2.81.00.81.60.00.2建物の危険度判定が早期になされたこと35.439.6日本赤十字社の支援が少なかったこと0.81.6家屋の被害認定が早かったこと25.224.4家屋被害認定が不満なこと34.627.6ボランティアの対応がよかったこと34.551.6ボランティアの対応が悪かったこと1.21.1行政からの情報が十分だったこと被災者への公的資金援助の情報が十分だったことその他無回答4.11.66.516.19.38.59.82.6能登半島地震中越沖地震行政からの情報が不十分だったこと被災者への公的資金援助の情報が不十分だったこと同じく被災者した人の間に不公平があることその他無回答6.96.72.628.521.924.019.832.636.234.539.4能登半島地震中越沖地震(出典)日本赤十字社石川県支部「平成19年(2007)年能登半島地震における救護・救援活動の記録」各機関が果たした役割は異なるので直接比較することはできないが、日赤の活動は約4割強の被災者から良い評価を得ており、災害時にほぼ定位置の評価を受けていると言えるだろう。また、救護班員に対する苦情はまったくなく感謝の声が多く見られ、一部の団体については厳しい批判が記載されていたことなどに比べると、日赤及び病院職員の災害時対応が優れていたことが伺える。他支部から派遣された救護班員の約9割は「被災者から感謝され」、全員が救護班員として「出動したことが良かった」としており、今後機会があったら「救護班として出動したい」が約8割と、活動意欲が高まっていた。各赤十字病院から派遣される救護班は、初めて活動した救護班員が半数近くいたが、災害派遣経験を持つベテラン職員(救護班員の平均現職経験16年)を含む構成で人選され、約9割の班員は災害研修や訓練の経験を積んでいたことが、高評価となった要因と考えられる。3.日赤の抱える個別課題とその背景以上、概観してきた日赤の災害救護活動から得られる個別課題について述べる。3-1初動態勢の確立従来より、日赤の災害救護活動は、災害発生直後からの緊急期対応に力点を置いて行われてきている。特に、44人道研究ジャーナルVol. 2, 2013