ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014傷病者や避難者役を経験することにより、救護現場や避難所で傷病者や避難者が抱く身体的・精神的苦痛について理解を深める。7)START法によるトリアージ呼吸、循環、意識の3つの生理学的評価に基づき、傷病者を緊急治療群(赤)、準緊急治療群(黄)、待機群(緑)、死亡群(黒)に篩分けし、搬送班と連携をとり、適切な搬送方法を指示する。8)搬送トリアージオフィサーの指示に従い、傷病者の受傷状態にとって最適な搬送方法を判断し、周囲の安全を配慮しながら、救護所に傷病者を搬送する。9)応急処置個々の傷病者に必要な処置を迅速に判断し、傷病者の状態の変化に配慮しながら、安全・安楽な方法で処置を行う。10)避難所支援避難者名簿を作成し、避難者数を把握する。年齢、性別、既往歴等から、避難者の健康状態を把握し、災害時要援護者に必要な援助を提供する。避難者の健康状態に応じ、避難所の環境を調整する。11)屋内訓練ロープワーク、救急法、避難所での生活支援技術に関する演習を行う。6.シナリオ平成25年9月27日9時頃秋田市内で震度は6弱を観測し、秋田市内各地では電話、電気、ガス、水道等のライフライン施設及び道路が損壊したほか、多くの建物や塀が倒壊し、人的及び物的に甚大な被害が発生している模様である。火災が発生し、折からの強風に煽られて火災の範囲が広がっている模様。日本赤十字社は、現地対策本部を立ち上げ、救護所を開設した。最寄りの赤十字病院は、救護班派遣の準備を始めている。地域住民は、着の身着のまま避難所に指定されている小学校の体育館に集まってきた。みんな不安げに話をしている人、震えている人、力なく無表情で横になっている老人もいる。避難所への支援チームが派遣された。7.訓練の流れ写真1トリアージの様子写真2応急処置の様子1)1日目学生は、2日目の本訓練の準備として、オリエンテーションと集結訓練の後、各役割に分かれ、炊き出し、通信、テント設営・撤収、傷病者役のメイキャップ並びに演技訓練、搬送、応急処置の練習を行った。また、座学でSTART法によるトリアージとこころのケアについて復習を行った。2)2日目2日目、学生はA・Bの2班に分かれ、A班は午前に本訓練、午後に屋内訓練、B班は午前に屋内訓練、午後に本訓練を実施した。本訓練は、経時的につぎのような流れで展開された。訓練開始前に、テント設営班は本部、救護所のテントの設営を行った。訓練開始の合図の後、トリアージ班はトリアージエリアに殺到する傷病者に、重症度別に該当する色(赤・黄・緑・黒)のトリアージタッグを取り付け、搬送班に搬送の順位と担架の必要性の有無を伝達した。トリアージ班の指示に基づき、搬送班は、傷病者の状人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 111