ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014かが喫緊の課題である。この点において、本学が地域社会に果たしうる役割は大きい。本学は秋田市が指定する避難施設に登録されており、災害時、地域住民が避難場所を求めて殺到する可能性もある。従って、これまでの災害救護訓練で培ったノウハウを生かし、地域住民と協働で地域防災活動を展開していくことが重要である(5)。おわりに災害医療にはCSCATTTという7つのポイントがある(6)。すなわち、指揮命令・統制(Command &Control)、安全(Safety)、意思疎通・情報取集・情報伝達(Communication)、評価・判断(Assessment)、トリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)である。これまでの災害救護訓練では、学生が後者3項目を適切に実施できたかに焦点が当てられてきた。今後、本学の災害救護訓練の更なる発展に向けて、前者4項目にも焦点を当てていく必要がある。具体的には、学生の指導において、指揮命令・統制に関連したリーダーシップと連携、傷病者役と支援者自身の安全確保、支援者間のコミュニケーション、傷病者の状態と支援者側の能力を総合的にアセスメントする重要性についても言及していく必要があろう。最後に、平成23年度以降、本学では学生並びに教職員を対象に災害救護訓練についてアンケートを実施してきたが、その結果は研究的に分析されていない。従って、これまでに蓄積された客観的データを分析し、今後の災害救護訓練の発展に役立てたい。注(1)日本赤十字社法第28条(救護員の確報)並びに第29条(救護員の養成)(2)初年度(平成21年度)の災害救護訓練については、佐藤美恵子.(2009).平成21年度避難訓練および災害救護活動報告.日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要, 14, 61‐71.を参照。(3)こころのケアについては以下3つの文献に詳しい。TheSphere Project(2011). The Sphere Project: HumanitarianCharter and Minumum Standards in Humanitarian response.Sphere Project. IASC(2007). IASC Guidelines on Mentalhealth and Psychosocial Support in Emergency Settings, IASC.日本赤十字社(2008).災害時のこころのケア,東京都,日赤サービス.(4)内閣府.地域別に見た高齢化http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2013/zenbun/s1_1_2.html(2013年12月27日閲覧)(5)地域住民と協働する防災活動については、小原真理,酒井明子.(2007).災害看護心得ておきたい基本的な知識.東京:南山堂, 165-167.を参照。(6)小原真理子他.(2012).災害看護学.日本赤十字社事業局看護部編(編),系統看護学講座総合分野災害看護学・国際看護学看護の統合と実践〈3〉,16-144.東京:医学書院.謝辞災害救護訓練の企画・運営にあたり、御協力下さいました関連機関の皆様並びに本学教職員の皆様に心から感謝申し上げます。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 113