ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014上げとその経緯など、そもそもの考え方といったものを、一度関係者で認識を新たにして、そして後世の担当者に伝えていくということは、一つの事業を長くやっていく上で大変に重要なことだとわれわれも思っています。こうした機会をつくっていただいたというのは、われわれにとっても大変有難く思っております。東浦さんは、いまのお話を聞いても、立ち上げのときの経緯から何から全部頭の中に入っていらっしゃるようです。私はいま事業部長の職にありますけれど、私自身が担当したのは、思い起こしてみると、おそらく昭和63(1988)年、平成元(1989)年辺りに担当したのだと思います。小林さんの後を引き継ぎましたので、始まってから、6、7年たっていました。「海外たすけあい」の重要性はしっかりと認識して担当しましたが、実際に救援事業を実施する国に行って、どういうふうにわれわれがキャンペーンで集めたお金が使われているかを自分の目で見て、実際の困っていらっしゃる方々を見るという機会も与えていただいたことが、自分の長い協会人生の中でも大きな経験として残っています。ですから、この大きな企画がどのように生まれたのか、再度ここで確認して、このキャンペーンが国民の皆さんの中に一層浸透して、この重要性をしっかりとわれわれも認識して、今後の「海外たすけあい」の一層の盛り上げに資することができればと考えています。少々記憶違いや脱線や、いろいろあるかもしれませんが、それはそれでお許しいただきながら、われわれのほうもいろいろな話に参加させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。東浦:よろしくお願いいたします。池本さん、私もご一緒しながらNHKさんに通いましたね。どんなエピソードがあったか。何が一番問題だったのかなというところをちょっとお話しいただけたらと思います。テレビ放送開始30周年記念事業としての「NHK海外たすけあい」実施に向けての準備~池本:当時、私はちょうど法人関係から資金を頂戴するという担当でした。必ず特定の方にお伺いし、頭を下げて募金をお願いしていました。不特定多数の方々にPRをしながらご厚意をいただくという形での募金はあまり経験がなかったんですよ、その当時ね。ですから、NHKさんからこういうことを考えているのだけれどもどうだというご提案をいただいたときに、大変有難いとともに、当方に経験がなかったものですから、具体的な運びとしてどうやって進めたらいいかというので、かなり頭を絞った記憶があります。東浦:当時は厚生省(現在の厚生労働省)に許可を得ないと募金ができないという時代でしたね。池本:そうそう、災害のためではなくて、いわゆる赤十字が実際に定例の事業のために使うのが足りませんのでお願いしますというのは、いちいち申請をして、許可を得てやっていたということです。ですから、このNHKさんから頂戴したこのプロジェクトも、最初はそういう手続きをしました。初めての経験だったものですから、かなり頭を悩ました。難問だからというのではなくて、手続きを知らないがために、未経験だったがためにちょっと苦労したという記憶はあります。東浦:そのころのNHKさんの記録では何か書かれていることはあるのでしょうか。佐倉:今回この座談会のお話をいただいて、過去の資料などを見たのですが、私どもがキャンペーンとして実施していった当時の放送内容などは記録に残っているのですが、そこに至る、私どもの先輩と日赤の皆さま方がご苦労された部分についての記録は、残念ながらほとんど残っていませんでした。そういう意味でも今日はその辺りをぜひ日赤側で携わっていた方々が残っていらっしゃるのでお聞かせいただければな、というのが正直なところです。東浦:日赤は池本さんと当時社資募集担当の酒井盛さんの3人でNHKさんに伺いましたね。稲垣さんからのお話の趣を小池副社長に伝えると、願ってもないことと、ぜひとも実現するようにということになり、こちらからお話に上がるということになったと記憶しています。日本赤十字社というのはどういう団体か。NHKさ人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 115