ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014仲良くさせていただいています。その後の国内の災害において、例えば東日本大震災の時のように、日赤さん、共募さんと一緒になって義援金をお預かりしていますが、この30年前からの関係があって、阪神大震災であり、東日本大震災であり、国内、国外という枠を超えて、NHKも含めて広く国民の皆さんに呼びかけていくということが定着していったのだと思います。池本:それは育てていただいたたまものだと思いますけれど、マイナスイメージになって悪いんですけれども、なぜ私がこんなことを申し上げるかというと、「海外たすけあい」、「国内のたすけあい」で、それぞれ寄付者の方からご指定いただく振込用紙があるわけですね。ところが何もご指定がなくて、ただお金だけを送ってくださる方がいっぱいいたわけです。それをじゃあ、どっちの、どれが、どの部分がわがほうで、どれが共同募金さんの分か、割り振りを決めておかなければいけないのではないかというようなときに、いろいろ方法が、頭の中で考えたのがありましたけれども、結局、実際にはどうなったかというと半分半分にしましょうということで決着が着いたんですけれども、そこまでに結構こういうやりとりがあって、苦労したことがありますけれども、そういう形で割り込んでくるんじゃないかという懸念を持たれたのではないかということがあります。東浦:実際に最初の頃は共募さんの「歳末たすけあい」を「海外たすけあい」が食ってしまったのでしたっけ。佐倉:最初の1回目は先ほどもお話に出ているとおり、時期が12月と年明けの2月とずれていましたから、それぞれ20億と10億という結果でしたが、それが翌年、一緒に12月に実施したときには、そのまま数字を申し上げますと、その前の年、「歳末たすけあい」のほうが20億集めていたのが11億になってしまって、「海外たすけあい」は10億が13億。合わせて24億。前の年の20億だったものが、11億と13億にシェアされたという見方もできますね。井上:ただ2回目のときは、アフリカ飢餓で、日本中、世界中が沸き返っていましたから、必然と言えば必然ですよね。風谷:13億が「海外たすけあい」のこれまでで最高額です。佐倉:翌年からは逆に海外は4億まで一気に下がってしまいました。井上:あれはアフリカの影響でしょうね。東浦:第1回が15万8,000件に対して、この年は17万7,000件という形で2万件ぐらいしか増えていないのにもかかわらず、金額的には13億5,500万円ということで1件当たりの単価が非常に上がっている。それだけインパクトが強いものがあった。本当を言うと、実は第1回のときに考えたのは、silent disaster、silent emergencyということで、例えば津波とか地震とか、そういう目につくような、耳目を集めてお金が集まってくるようなものでない、途上国の静かなる緊急事態というものに対して資金を集めようではないか。何となれば、そういうポピュラーなものに対してはどういう形でも義援金なり何なりという形で集まってくる可能性がある。それに対して途上国の支援というのはなかなか日本からの支援がうまくいっていない。そういうことで、「海外たすけあい」の特色として、そのような途上国の地道な支援に向けて資金を集めようと考えていたわけですが、2回目がこのようなアフリカでの飢餓状態ということで出てきたがために、そちらのほうにやはり向いていったというところはあったのかと思います。この辺までのところで何かNHKさんのほうで1回目、2回目、あるいはその後ぐらいのところで何か記人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 117