ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014NHKの番組をつくるためのシンポジウムを行った。小林さん、これには関わっていらっしゃったんですよね。小林:これは初めから東浦さんと2人でやったという記憶があります。NHKに入ってほしいという話があったんです。その話に入る前に、NHKがなぜ「たすけあい」をやりだしたかということを僕も「たすけあい」をやったときに先輩から勉強しながら聞いた話ですけれど、1950年に放送法が制定されました。そこで公共放送と民放という形で日本の放送界がやっていくということに決まったときに、当時の経営は公共放送としてのレゾンデートルというか、アイデンティティというんですか、そういうものを確率しようとしているんですね。それで当時、皆さん、思い出してほしいのですが、当時、アメリカでは視聴者参加番組という手法が始まり、視聴者を取り込んでやっている。あとはソープオペラ、ソープオペラというのはラジオで初めはドラマが連続で始まって、それを石けん会社がクライアントについたから、それからソープオペラとして位置付いて、日本にも帯で、いまの朝ドラみたいなのを始める前にはそういうものもアメリカの放送局はやっている。どうも視聴者参加番組は娯楽とかドラマとか、そういう形でアピールしている。じゃあ、NHKもということで、NHKものど自慢を始めたり、「君の名は」が1951年ですか、菊田一夫の、そういう形でソープオペラみたいなものを指向しているんですね。そこでもう一つ、いまここの話になるキャンペーン、放送というのはどうも特性メディアとして、放送メディアとしてさっき池本さんがおっしゃったけれど、不特定多数に呼びかける力を大きく持っている。アメリカはそれをやっている、日本は何をやっているかということを当時の経営陣が自分たちに問いかけて、やっぱり日本の互助精神に訴える「たすけあい」と。戦後、まだみんながお正月を迎えられない状態で、これは餅代だと、みんなで明るいお正月をという互助精神を呼びかけたらどうだろうかと。戦後混沌としていたときに「歳末たすけあい」、みんなで明るいお正月をと呼びかけ、大成功でした。それがずっと続いてきた中で「海外たすけあい」が始まったときに、ちょうどこの一年目、僕は大分放送局でこれを担当していました。「歳末たすけあい」を12月にやった直後の、2月に「海外たすけあい」は大変だなと思いました。この二つの「たすけあい」を同時期に実施したらという案があり、紆余曲折の結果、現在のような形となりました。日本赤十字社への評価ですが、素晴らしい組織だと思います。つまり外為法とか何かでお金を持ち出せないから、事業に切り替えて、きっちり仕事として使っている。受信料を頂いている視聴者に報告するときに、「どう使われたか」と報告するのが一番大切です。そうした点でNHKが共催するにふさわしい相手が日赤だということになっていったように思っております。その中で日赤シンポジウムも実現する。NHKで放送化ということが、日赤さんの大きな目的で、放送して全国にアピールできないだろうかということが狙いだったと思うんです。第一回はNHKと共催でやっていこうというふうになりました。東浦:最初のときというのは、お金を実は赤十字が持っていない。UBSというスイスの銀行が全部出した。そのときは電通がすべて実施した。それだけやって終わりだなというふうにこっちは安心しきっていた。当時、こっちが望んでもいないのに、「逆査定」されたんです。あのシンポジウムは非常に良いと。それをぜひNHKさんと一緒になって再度取り組め。必要な金というのは予算につけてやるからというんで、いまでも相当大きな金になると思いますけれども、ある程度の金をどんとつけてくれたんですよ。とにかく金をつけてやるんだから、ちゃんと話をつけてこいと、それが注文になってしまった。それで、小林さんのところに私、伺ったんですよ。そうしたら、小林さんから言われて、まだ印象に残っているのは何かというと、12月に、ただでさえ忙しい「歳末たすけあい」と「海外たすけあい」をやり、シンポジ人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 121