ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014出して、現地の状況は、やはり行った人じゃないと分からないことがあるのだなと思いました。小林さんの話も、バングラデシュで、目やにがだらだらたれた人が寄ってきて、すごく悲惨な状況を伺ったりもしました。(そのとき、そんなにいいホテルに泊まったという話は聞かなかったのですが(笑))、これはもう本当に行った人じゃないと分からないことってあるのだなと思いました。じゃあ、いろいろな人に実際に行ってもらったらどうかというようなことを、ふと思って、軽く考えたのですが、いいねという話になっていって、話はどんどん進んでいきました。急きょそれをやろうという話だったので、体験員のまず募集を始めて、どういうふうな選考をしてとか、かなり短い時間で作業を進めたので、たいへんだった記憶があります。NHKの中では、それをどうやって放送でアウトプットするかというのは、大きな課題だったのですが、その辺りも、やはり先ほど話に出た、BSなどでうまく出せたと思います。当時の私のような入局から年数の浅い人間が言っても、それは簡単に通る話じゃないのですが、やはり行かれた先輩方が、これはやるべきだというような話もしてもらったのでできたことだと思います。いまは本当によく通ったなというぐらいの内容だったと思います。まあ、こんなに短期間でできるのかなというような思いはあったんですけれど、経緯としては、とにかく10年でしっかりしたものが何か残せないかというような話から始まったということでした。東浦:当時、利子がいまのようではなくて、かなりついたんで、利子の部分というのが、そういうところにかなり使えたというところがあったと思うんですね。いま、その辺のところはちょっと難しいところがあるのかもしれない。今度は篠崎さんと山本さんにお聞きしたいんですが、応募されたんですよね。1次審査、2次審査というような形を通られて、めでたく海外に行かれたわけなんですが、応募するきっかけといいましょうか、動機というか、その辺のところからちょっとお話をしていただければと思います。まず、レディーファーストで(笑)、篠崎さんのほうから。篠崎:はい。私、当時、高校生で、たぶん、うちの母親が、NHKで見ていたんですかね、「こういうのがあるみたいよ」って言ってくれたのが、この最初のきっかけなんです。私自身も漠然と、興味がないわけではなかったんですが、当時、高校で青少年赤十字の端っこにもいたりしたんで、うまく開発教育をされてしまった側なんですが(笑)。ただ、とはいえ、当時は、興味はあるんですけれど、いろいろ興味があるうちの一つといったらいいんでしょうか、もともとは、比較的好奇心が旺盛だったところもあって、あれも見てみたい、これも見てみたいみたいな中で、いや、もし見に行けるんだったらという程度という言い方は大変申し訳ないんですが、こういう機会があるんだったら行ってみたいなというのがスタートだったんです。東浦:山本さんは、どうだったんですか。山本:ええ、この体験ツアーで派遣される同じ年の確か2月頃に、1年間のメキシコ留学から帰ってきましたが、留学中にクリスマス休暇を利用してメキシコから南の陸続きの国を旅行しました。ニカラグアの首都マナグアに「マナグア湖」という湖がありますが、マナグアに行った時に、湖畔の茂みに隠れていたグアテマラ人、グアテマラから逃げてきたと言っていましたが、彼と偶然出会い、その後UNHCRのマナグア事務所に行ったりして、何とかしようといろいろ動いてみましたが、結局、何もできなかったという経験をしました。それで、メキシコでの留学が終わって日本に帰ってくるときに、あの経験は自分にとっていったい何だったのか、ということを考えるようになりました。そして「こういう関係の仕事をやってみてもいいかな」というように考え始めました。日本に帰ってきたときは大学の4年生で、就職活動をせねばならなかったのですが、私はその時まで援助団体には興味がなかったので、どういう団体があるのかというのもほとんど知りませんでした。とりあえず赤十字へ行ってみようと思い、当時、学126人道研究ジャーナルVol. 3, 2014