ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014校が大阪にあったため、日本赤十字社大阪府支部に情でも、毎日、エチオピアで話が出ていたのは、やは報収集に行ってみました。支部では、採用試験はやっり教育の話。現地の人に子どもをたくさん産むが育てていませんと言われましたが、帰るときに「たすけあられないと、なぜ産むのかと聞いたときに、「死ぬかい体験員募集」のポスターを偶然見つけ、「面白そうら産む」というような話があって、そこで、みんなでだから応募してみようか」と応募してみたら、とんと「えっ?」という感じになった。やっぱりそういったん拍子に選考していただき、体験員の1人になりまし教育的なものというのは大事じゃないかとかいうようた。な話を、毎晩、議論をしていた。それでたぶん、応募東浦:この体験員募集には「裸」という名前が付いているんですが、誰がネーミングしたんですか。どなたか、ご存じの方はいらっしゃいますか。森:誰もが同じ人間で同じ一つのものだという話であったように確か記憶しています。それで、NHKの方も普通、「裸」なんて出したら、「ちょっとこれは」というふうな感じも若干あったのですが、でもやっぱりインパクトがあっていいのではということで、あのまま行きました。ところで、いまお話を聞いて思ったのは、おそらく応募した動機って、皆さんはそれで、そういったものにちょっと興味があってとか、というレベルの話からたぶん入っていると思いますね。何か面白そうだとか、関心があるとかということではなくて、行ったことによって、たぶんすごく大きく変わったんじゃないかなというのは、私も同行していったので、すごくそれは思います。東浦:森さんは、エチオピアですか。森:そうですね、粉川さんがそのときの受け入れの窓口でありまして、私、海外は行ったことはあったのですが、NHKで初めての海外出張がこのエチオピアでした。それで、学生たちとかを連れていかないといけないということで、相当なプレッシャーはあったのですが、知らなくても知っているふりをしたりしていました。夜中にアジスアベバの空港に着いて、真っ暗な中、大勢の人がいて、何でこんなに人がいるのか、ちょっと目だけぎらぎら光っていて、そこで粉川さんの顔を見たときにはすごく安心させられました。村に泊まって、その場でヤギをさばいて、それを出してもらったりとか、トイレもないので、女性も川へ行ったりとか。粉川:ナンキンムシもありましたよね。森:そうですね。もう体中が痒くて。その後ジュネーブの国際赤十字に行ったのですが、ジュネーブへ行っても痒くて、痒くて、?いていた覚えがあります。田中康夫さんもずっと一緒で、体を?いていた覚えがあります。してきたときと、帰ってきたときが全然違うような感覚になったのではないかというぐらい、すごく真剣に物事を考えた時間だったと思います。東浦:カンボジアではどうだったんですか。山本:昔のことですので、議論したのかどうか、あまり記憶が定かではないです。森:泣いたっていう話を聞きましたよ。山本:ポルポトによる虐殺のあった収容所のところです。写真や本で知識として知っていましたが、実際に自分の目でみるとやはりショッキングなところでした。ポルポトの虐殺があったのは、自分たちがカンボジアを訪づれた時から十数年以上も前のことですが、遺体を掘りだした跡だと思うのですが、穴の周囲に歯や骨の破片が当たり前のように落ちていました。カンボジアに滞在中、感情的に思っているものがずっとあって、最後の最後でそういうものが一気に爆発したような感じでした。東浦:山本さんは行く前から、赤十字のようなところで勤められるかなというふうに思っていたとおっしゃいましたよね。大阪は駄目だったと。山本:こういう業界で働きたいと思っていました。東浦:こういう業界(笑)。山本:はい。東浦:篠崎さんは、これがきっかけですか、NHKにお入りになったのは。篠崎:そうですね、私は、カンボジアがほぼ初めての海外だったんです。それで、ものすごくやっぱりびっくりしたというか、ものすごく印象が強くて。それまでは、ちょっとさっきお話が出た、アフリカキャンペーンの影響だと思うんですけれど、私、途上国って、おなかをすかして泣いている子どもたちという印象しかなかったんですよ。それが、いまでも覚えているんですが、プノンペンの空港に着いて、町中に入っていくときに田んぼが青々している、やせているけど牛もいるというのが、私の本当に最初の印象で、これは何か違うというんでしょうかね。私が知らないことがすごく世の中にいっ人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 127