ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014と思います。エチオピアには粉川さん、バングラデシュには大橋さん、それとカンボジアは確か……。彼らの現地での調整能力のお陰がある。ているのを見てしまったんですよ。「あれ、言っていることと違うじゃないか」と思いつつも、ああ、これがデレゲートの人情なのかなと…。粉川:カンボジアは榎本さん。彼らに対するシンパシーというか、要するに、表向き井上:ああ、榎本さんでしたね。いずれも、すごいは「金をやっても意味ないよ」というようなことを言ベテランですよ。現地駐在員のレベルというか質の高さ、これが特にバングラデシュでも私は実感した。調整が抜群、危機管理もきちっとしていて、やはりああいう人たちがいたことに、この事業の成功の一つの大きな鍵があったのかなと思います。当時の駐在代表の質の高さというのは、私は本当に感じましたね。お世辞じゃないんですよ。いつつも、人情的にはやらざるを得ないっていうか…。ある意味では矛盾だけど、そういう矛盾の中に彼の人間性をちらっと垣間見た思いがしましたね。何か、「ああー、これがデレゲートの真髄なのかな」なんて、自分自身、ちょっと深く感じるものがありましたね。「そんなことから、ああ、いい人間をデレゲートに森:いや、本当、安心感、あれが、もう本当に粉川送ったな」って、僕はそのとき思ったんですよね。さんがいなくなったら、どこへ行ったかなって、探し森:割り切りのことと言えば、私も、村でヤギを出ていましたからね(笑)された時、これは村の人は歓迎してやってくれている東浦:よくいなくなっちゃう?(笑)。のかなと思った。後でお金を請求されたとき、あえ小林:それは私も同じでしたね、確か、ネパールのて、お金を払って生活を体験させる部分もあるんだな看護師さんで熊本から来ている高島さんと、福岡から来ている江田さんっていましたよね。粉川さんをネパールで見たときに、こんなに素晴らしい日本人がいるのかというインパクトを受けましたね。つまり、種をいろいろなところにまくと、人間は育つとかといわれます、本当にやっぱりいらっしゃるんだと、こんなとと思いました。小林:僕らもヤギを連れていって、食事のたびにヤギが死んでいっていましたよね、それを料理して食べていた生活が続いたから、ちょっとしたホテルに泊まったらいいホテルねという(笑)。決していいホテルではない。ころで活躍している日本人がっていうインパクトをす東浦:いや、あれはいいホテルでしたよ、あれはごく感じました。だから、日本赤十字社の質の高さとか、嘱託や契約(笑)。小林:フィールドワークで、外でトイレとかっていでの人員を含めて、多様性を取りながら、ちゃんと人材は素晴らしい人がいらっしゃるんだなという、それは本当に痛切に感じました。NHKは受信料を支払ってくれるお客さまに呼びかけたお金を集めて、そういう事業に使っているわけですから、NHKとしても視聴者の信頼に応えるすばらしいパートナーを選んでいるなと、日赤さんの現場を見て痛切に感じましたからね。うことにね、なると、本当はやっぱりね、ショックですよね。東浦:ハティア島の多目的センターに泊まったときなんかは、バケツ1杯の水で、ちゃんと体を拭くことといっても、それがなかなかできない。それから、トイレでは、トイレットペーパーは使わないようにと言っても、使うもんだから、もう後が大変なことになってしまうわけです。思い出したのは何かと言うと、村井上:私は個人的にホロッと来たことがあったんで人たちが、シェルターを、避難所に入るということのす。それが原体験にあるんだけど、大橋さんが、日本から学生が行ったときに言っていたことに、貧しい人たちへの単なる親切じゃ問題は解決しないと。現地の子どもたちはマネー、マネーとお金をくれとせがむんですね。皆さんがどう考えるかは自由ですが、私もやらなかったんですね。ところが、ハティヤ島でのある夜のことです。僕が寝ようかなと思っていたら、大橋さんが宿舎の外で賄いをしている親子に、蚊帳越しに、そっとお金をやっ意味合いというものをドラマで仕立てたでやってくれた。そのドラマ自体も非常によかったんだけれども、そこのドラマが終わったときには日没になっていた。その多目的センターへ帰るのに車で行くのだけど、ハティア島には、当時2台しかなかった。その1台をわれわれが使っていて、それこそ荷台に乗った。すると、周りをホタルがわーっと来るわけですよ。明かりが何もないところで、そして水はきれいですから、そのホタルが、何と言ったらいいんでしょうね、非常に人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 129