ブックタイトル人道ジャーナル第3号

ページ
133/288

このページは 人道ジャーナル第3号 の電子ブックに掲載されている133ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014に何回かのチラシを印刷して貼るぐらいだったんじゃ山本:資金の裏打ち、いわゆる安定的な収入ができないですか。あとはもう、NHKさんや民放さんを問わず、国内外で大きな災害があったときに、日赤の救護班が出掛けたとか、そういう報道をしていただくだけでした。みんなPRをどうするかなんて考えてもいなかったたというところで非常に助かっています。年により額の増減はありますが、少なくとも国際活動、特にあまり目立たない開発協力事業にも億単位の資金を毎年確実に充当させることができるという意味においては、継続して海外へ人を出せるという安心感があります。し、考えても実行に移せなかったのが、常態だったん東浦:人数的にも増えたし、それから長期間にわたじゃないかな、いまから30年前は。それを、NHKさんがこういう募金活動に捉えてね、ってそこに駐在をする、そしてその事業を展開していくという人たちが増えてきたということですね。その背景になる、なぜ必要なのかという背景をいろい山本:はい、派遣者数も確実に増えています。ろな分野から捉えていただいて、ああいうPRをして東浦:だから、たまたま1ヵ月間だけ行って、それいただくというのは、本当にわが社の仕事の仕方に対してでも、ものすごく貢献だと思うんですよ。で援助終わりというような、そういうものではなくなってきているということですよね。東浦:「いや、これをやっているんで、NHKさんの山本:私は、現在、海外へ要員を派遣する仕事に従支局との間でいろいろなことができるようになって、とてもいいんですよ」というようなことを言ってくれる支部の人たちが何人もいるんですね。事していますが、ヨーロッパなど他社の赤十字社の状況を会議などの機会があれば話を聞くようにしています。各社が困っているのは、安定的な財源の確保で池本:ただ、最初の頃はね、あなたがおっしゃるよす。ヨーロッパの社は、災害が発生した後に政府などうに、私が言った共同募金さんとの競合みたいなことがわが社内部でも、わが社自体で使うべきお金と、海外の援助に使うお金とのシェアをちょっと邪魔しているんじゃないかとか、俺たちの苦労が増えているんじと協議し、資金を確保しています。日赤の場合は、「海外たすけあい」という安定財源があるため、一般の人の関心は低いがニーズの高い事業に対しても安定して人を送れるという強みがあります。ゃないかとかということを、言う人はいらした。いまはそんなことを言う人は誰もおりませんでしょう?やっぱり感謝していると思うんですよ。これからの「NHK海外たすけあい」へ向けて自分たちのこれを知らせるという、わが社だけのス粉川:ただ、私たちはものすごい危機感を持っていタッフで知らせると言ったら、まず、駄目じゃないですか。それをうまく取り上げていただいて、絵にしていただいて、例えばさっきから言っているように大規模災害では黙っていてもやっていただけるんでしょうけれど、silent emergencyのことについて何かPRしよう、国民の皆さんに理解していただこうとしたら手だてがないじゃありませんか。しゃべるしかない。講演会でも開いて。それをこういうふうにやっていただけるというのはとっても貴重です。それは口幅ったいようで偉そうなことを言うようなんですけれど、国民の皆さんの考え方にも影響し、我が国の国際貢献の基盤拡大にも大いに貢献しているんじゃないですか。ます。ここ数年、低迷する「NHK海外たすけあい」募金額、このレベルでは全く駄目だという……。やっぱりもっと増やさなければならない。増やすためには、汗をかいて自分たちでやる事業量を増やす必要がある。僕たちの強みでもありますが、ときに弱みになる、いわゆる国際赤十字というネットワークがありますから、そこに資金を出しただけでもやったと言えないことはない。しかし、それでは国民には見えてこないんです。もっと足腰を強くして、国際活動をしっかり自分たちでやって、寄付がどのように使われたか寄付者に知っていただく。どういうふうにしてメディアに載っけるのか、広報も頑張らなくては。東浦:それと山本さん、さっきたくさんのデレゲーその辺のところをNHKさんにも、海外たすけあいトが派遣されているという話がありましたけれども、この「海外たすけあい」があるがために非常にいろいろなところに日本人が出掛けるようになりましたよね。80年代の「海外たすけあい」が始まる前の状態と始まったあとの状態は全然違うでしょう。を今後も続けるとすれば、日赤に対して注文を付けてほしいし、同時に、NHKの担当の人にも募金額を増やすにはどうすればいいか、一種の緊張感を持ってやっていかないと、ダラダラとやっていると、もうそろそろやめようかとNHKさんから言われるんじゃない人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 131