ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014論する。そして、事業したものをどういうふうにして広報をやっていくか。それがこのキャンペーンにつながっていくということで、その意味では30年たっても、全然私たちはそれに安心して乗っかっていないというのか、非常に危機感を持ってやっています。東浦:30年で「海外たすけあい」のDNAをつなぐ人たちが相当増えてきているんだろうと思いますけれども、これをやっぱりもっと骨太のものにしていくということが必要なのかなという感じがいたします。小林さん、先輩として何か、これからの人に期待することをお願いします。小林:OBとしていえば、風谷部長がおっしゃったこと、森副部長、佐倉副部長がおっしゃったことはやはり素晴らしいなと、本当にしみじみそう思います。それで、僕はいまNHKというところから卒業して、株式会社で働いてもう8年目になるんですかね。それでNHKを違った形というか、ちょっと間を置いてみていると、やっぱりNHKで働いている人たちとか、仕事を見たときに、やっぱりこれから通信とか放送が多様化していく中、公共放送として、やはりNHKならではという使命感をこれからますます鮮明にしていかなければと思います。公共放送、やっぱりNHK、日本に公共放送があってよかったなと皆さんに思っていただけるようなことだと思うんです。そして、通信の会社はベストエフォート、できるだけの努力で情報は出し続けますよということを言っているんだけれど、NHKのすごいところはギャランティというんですか、責務、義務として情報をはってでも出すというような、やっぱり一つの信頼感を得る情報を出しているなというふうに思っています。、そういうNHKの存在意義を認めてもらうためには、こういう「海外たすけあい」とか、国内たすけあいとかをきっちりと呼びかけをやりながらやっていく媒体というか、メディアというのはやっぱりNHKしかないのではないのかな。その辺にNHKの使命や視聴者から認めてもらうところがあるんだから、それが国民のためになるんであれば、そういうことをどんどん積極的にしてやってもらいたいなとエールを送るのみです。東浦:篠崎さん、どうですか。出し手のほうとして。篠崎:私、今日はもう一回原点に立ち返らせていただく機会だったとともに、いまの自分の仕事で言うと、ちょっと反省したのは、開発みたいなところはやっぱりわれわれが一番飛びつかないところなんですよね。残念ながら災害とか紛争とか、一義的にパッと目を引くところに行くのが、どうしてもニュースとか現場にいる人間の癖としてあって、いまこの仕事にいるときに、まさに最初のsilent emergencyにどうニュースとして着目していけるのかというのが、本当はこの立場になった、記者の立場になった私の課題だなというふうに感じました。東浦:ありがとうございます。もう時間もあれでございますので、そろそろお開きにしたいと思っておりますけれども、言い残したこと、これだけは絶対言っておきたいことというのがおありになれば、どうぞ、お一言ずつでも結構でございますので。山本:私が入社して2~3年後に阪神大震災があって、この間東日本大震災があって、前々から感じていたんですけれども、やっぱりインパクトが起きてすぐのときにいろいろな民放さんがニュースを流すんですけれど、私の言葉で言うと雑音が多いんですよね。よくあるパターンとしては被災者の方に直接インタビューして、何々がないからどうのこうのというのが多いんですけれど、そうすると、それに結構時間が取られて、全体的な俯瞰的な情報が入ってこない。われわれが日赤として仕事をする場合においてはそういう1人のニーズうんぬんではなくて、全体がどうなっているのかというのが知りたい。この間の東日本大震災もそうなんですけれど、やっぱりNHKさんが民放よりひいでたところというのは、ときどきそういうスポットでのニーズ性の高いところがある中で、かつ全体も失わないで継続的に情報を発信するというところは、これはわれわれの業務では非常に、国内救護のほうになるんですけれども、非常に役立っているところというところで、本当にお礼のを申し上げたいと思います。東浦:そういうことで言うと、昔はそれこそ現像している間にどういうコメントを出すかということを考える時間があった。いまは現場へ行って、すぐに生で中継しなきゃいけないので、見たこと、聞いたことをその場で口に出していくということなので問題点があるんだということを言われたNHKの報道の先輩の方がいらっしゃいました。CNN効果という名で逆の問題点というのが語られたこともありましたけれども。いかがですか、森さん、最後に一言だけ。森:さっき種をまいていくという話もありましたけれども、いまこうやって篠崎さん、山本さんとやっぱり何か接触した人たちがまたそれぞれ今度は成長して、それぞれのいる居場所でそれなりの力を持ってい人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 133