ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014や台風の発生を再現。人間の何気ない振る舞いで命を救うことができることを示唆している。博物館とのインタビューで、設計者の坂氏は次のように語った。「行き過ぎた独裁者のように、自然災害はいつも犠牲者を生み出します。自然の破壊力は、人々の住む場所を奪います。このセクションは、アフリカの難民キャンプや被災地に仮設した家や学校、教会と同じく、リサイクルの厚紙を筒にして作り上げました。紙が建築資材として弱い、と思うのは偏見です。偏見は、発展と成長を妨げ、ダメージを与えます。この簡素で自然に即したセクションが、人々の偏見を一掃する場になればと願います。皆さんの訪問をお待ちしています」常設展にはこのほかにも、興味深い装置と工夫が凝らされている。全体的に、展示は体験型で、まさに冒険をしているかのような錯覚に陥る。特別コーナーの「Onthe Spot」では、世界最大の人道支援ネットワークを誇る赤十字の活動と歴史を、コンピューターやパネルで知ることができる。国際赤十字・赤新月博物館のエントランス広場cICRCそれぞれのセクションで印象的なのは、一方的に見るだけでなく、パネルに触るなど、訪問者が何らかの動作を起こすことで展示が動き出し、双方向に楽しめるよう工夫されていること。視覚だけでなく、聴覚や触覚などすべての感覚に訴える仕掛けがあちこちに施されている。博物館の狙いは、博物館を去った後も人々の体に感触を残し、知的好奇心を満たすことだという。これまで紛争や自然災害の被害に苦んできた人たち、また今このときに必死に生き抜こうとしている人たちに思いを馳せながら、私たち一人ひとりがより良い未来に向けてできることとは何なのか。国際社会が、人々の痛みや悲しみを和らげるための解決策を模索している中で、この新しい博物館は私たちにさまざまなヒントを投げかけてくれる。博物館のご案内:開館時間:午前10時~午後6時(4月~10月)午前10時~午後5時(11月~3月)閉館日:月曜日、12月24-25日、12月31日、1月1日入館料15スイスフラン(お子様連れや団体客など各種割引あり)ガイド付:100スイスフラン(20名以上の団体に対応)55名のガイドを揃え、11ヵ国語で館内案内が可能です。また、受付で配られる音声ガイダンスは、その他さまざまな国の言語に対応しています。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 137