ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014際に特別法として優先するが、しかしながら、今日では人権は常に全ての人に適用する。人道アクセス(Humanitarian access)文民たる住民に、食糧供給が十分に提供されない場合には、国際人道法は、人道的で、公平なかつ無差別的な救済活動が実施されるべきことを規定するが、それは関係当事者の同意を条件とする。国際人道法は、国に対して迅速なかつ妨げられることのない救済品のアクセスを許可すること、及びこれを容易にすることも求める。文民は、彼らの救助に来訪し得るいかなる組織にも頼る権利を有している。それにも関わらず、紛争当事者が許可を与えないため、あるいは地理的及び兵站上の(logistical)困難性、行政手続き上の障害又は安全上の考慮から、人道的団体は、武力紛争において援助及び保護を必要とする文民にしばしばアクセスできない。人道に対する犯罪(Crimes against humanity)重い苦痛又は心身の健康に重大な損害を引き起こすことを意図した行為は、文民たる住民に対する攻撃であって、広範又は組織的なものの一部として行われる場合、人道に対する犯罪とみなされる。特に殺人、絶滅させる行為、奴隷化すること、追放、国際法の基本原則に違反する自由の剥奪、拷問、強姦、性的な奴隷、強制売春、強いられた妊娠状態の継続、強制断種及び同様の形態の著しい性的暴力、政治的、人種的、国民的、民族的、文化的、宗教的又は性に係る理由に基づく迫害、アパルトヘイト、並びに人の強制失踪を含む。侵略(Aggression)侵略は、一国による他の国の主権、領土保全又は政治的独立に対して武力を行使することである。国際法は、武力の行使を原則的に禁止しているが、二つの例外を認めている。すなわち、明確に定義された状況における軍隊による自衛、又は国際連合憲章第七章下の安全保障理事会の決定に基づく、国際の平和と安全を維持し又は回復するための措置における武力の行使である。二つ又はそれ以上の国が関わる国際法における侵略の概念は、国際刑事法における侵略の概念と混同されてはならない。後者は、個人の刑事責任に関するものであり、国際的に認められた定義に今のところ基づいているわけではない9。生物兵器(Biological weapons)生物兵器は、細菌兵器としても知られる。これらは、疾病及び死をもたらすように設計されている。生物兵器は、人、動物、植物に危険な毒素を繁殖させたり、これらを放出する有機体を含む。健康を危険にさらすと同様に、それらは環境に損害を与える。生物兵器の使用は、1925年以降禁止されている。1972年の生物兵器条約は、微生物学的、細菌学的な物質及び毒素を含む兵器の開発、生産、貯蔵、並びにそれらの運搬手段を禁止する。生物兵器条約は、そのような兵器の廃棄も勧告する。赤十字国際委員会(International Committee ofthe Red Cross)ジュネーヴを拠点とする赤十字国際委員会(ICRC)は、傷病兵救援国際委員会の後身として1876年に創立された。ICRCは、スイス法の下で政府から独立し戦争における女性*(Women in war)女性は、男性とほぼ同程度に追放され、家族と離散させられ、そして財産を破壊されるという被害に遭う。近親者を失う確率は、女性にとっての確率は男性にとっての確率とほぼ同じ高さである。女性の総計40%が、その家族の構成員と音信が途絶え、32%が、家を離れることを余儀なくされた。9%が、強姦された人のことを知っており、他の9%が、拷問されたことがある。* ICRCによる世界規模の調査「戦争における人々」より人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 151