ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014た中立の組織として設立され、そしてジュネーヴ諸条約に基づく固有の国際人格を有する。ICRCは、国際法の法典化において重要な役割を果たしている。武力紛争におけるICRCの役割及び義務は、1949年のジュネーヴ諸条約及びその追加議定書で定められている。ICRCの最も重要な職務には、捕虜の訪問、行方不明者の捜索、医療援助の提供及び食糧の供給といった人道的活動、並びに国際人道法の遵守及び周知を確保するための監視が含まれる。赤十字・赤新月国際会議(InternationalConference of Red Cross and Red CrescentSocieties)赤十字・赤新月国際会議は、国際赤十字・赤新月運動の最高協議機関である。同会議は、一般的に四年ごとに一度開催される。その最初の会議は、1867年にパリで開催された。運動を構成する組織の代表及びジュネーヴ諸条約の締約国の代表は、会合して人道的問題を協議し、そして決議の形式で決定を行う。戦争の手段及び方法(Means and methods ofwarfare)10戦争の時でさえ、すべてが認められるわけではない。背信行為、恐怖を広めること、飢餓に陥らせること、略奪、人質をとること、文民たる住民又は非軍事目標に対する復仇、追放、捕虜又は保護される者の強制徴集、無差別な攻撃、そして戦闘外にある者の保護を拒否することを含む各種の手段及び方法は禁止される。無用の苦痛を与える兵器は、明示的に禁止される。兵器の選択を制限し、及び特定の兵器の製造、貯蔵、移譲及び配備を禁止する多数の条約がある。戦争犯罪(War crimes)戦争犯罪は、人及び物を保護する1949年のジュネーヴ諸条約の諸規定に対する重大な違反行為、並びに国際的武力紛争又は非国際的武力紛争に適用される法規及び慣例に対する他の著しい違反である。戦争犯罪は、特に以下を含む。すなわち、殺人、拷問、追放、虐待、不法な拘禁、人質をとること、文民及び民用物に対する故意の攻撃、並びに軍隊への児童の徴集及び略奪である。国は、その領域において戦争犯罪を行った疑いのある者を訴追し又は引渡す義務がある。戦闘員(Combatants)国際的武力紛争の際に、紛争当事者の軍隊のすべての構成員は、医療要員及び宗教要員を除くほか、戦闘員とみなされる。戦闘員は、合法な戦争行為(licit actsof war)に参加し、その行為の故に刑事訴追の対象にならず又は提訴されない(「戦闘員特権」)。民兵隊、義勇隊及び抵抗運動団体の構成員と同様に、特定の状況において、自国の領域を防衛するために蜂起に参加する者にも戦闘員の地位が与えられる。捕らえられた戦闘員は、捕虜となる権利を有し、そして捕虜に与えられる保障を受ける。占領地域(Occupied territory)占領地域は、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、外国軍隊の権力内に実際にある地域である。国際人道法は、占領が合法か否かを問わず、すべてのそのような事態に適用される。国際人道法は、地域の住民の権利及び占領軍の義務を規律する。占領軍は、絶対的な支障がない限り、占領地域の現行法律を遵守して、公共の秩序及び安全を確保する責任を有する。さらに、占領軍は、地域の住民が食糧を受け、及び医療上の看護を利用できることを確保しなければならない。ソルフェリーノ(Solferino)1859年6月24日にイタリア北部のこの村において、サルディーニャ-ピエモンテ及びフランスの連合軍が、オーストリア帝国軍と戦った。戦いは、四万人の死傷者を戦場に置き去りにし、看護を提供する者は誰もいなかった。ソルフェリーノは、アンリ・デュナンの名前と結びつけられ、戦場における殺戮に対する彼の反応は、救済組織(赤十字国際委員会)の創設につながることになった。大量破壊兵器(Weapons of mass destruction)大量破壊兵器の定義には、核兵器の他に生物兵器及び化学兵器が含まれる。これらは、大規模に人を傷害し及び殺害し、並びに財産を破壊し、加えて環境に対して広範かつ継続的な(lasting)損害を与えるその能力の点で、他の兵器と異なる。多国籍軍(Multinational forces)多国籍軍又は国際部隊は、同一のマンデートに基づいて軍事的に介入する複数の国の連合である。そのよう152人道研究ジャーナルVol. 3, 2014