ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014保護に関する条約及びその二つの追加議定書で規律される。第一議定書は、占領(占領地域)の間の文化財の保護に関するもので、第二議定書は、保護を非国際的武力紛争へ拡大することで保護を強化し、そして個人の刑事責任も定める。文民(Civilians)1949年まで、国際人道法は、傷者たる軍隊の構成員、病者たる軍隊の構成員、難船者たる軍隊の構成員、及び収容された軍隊の構成員を保護した。1949年のジュネーヴ諸条約は、戦時における保護を文民たる住民に拡大した。1977年の追加議定書は、保護の程度を増加させ、特別の規則により保護を特定の種類の文民(女性、児童、難民、報道関係者)に拡大した。文民保護(Civil defence)文民保護は、紛争の事態及び大規模な災害時において、文民たる住民の生存を保護し及び確保し、並びに民用物への損害を可能な限り制限するための援助及び救済の組織である。文民保護組織の構成員を攻撃することは禁止され、同構成員はオレンジ色地に青色の正三角形によって識別される。兵器(Weapons)国際人道法は、その影響が敵を弱めるという許容された目的を越える兵器の使用に制限を、場合によっては全面的禁止を課す。兵器は、三つの基本的基準に基づいて禁止される。すなわち、その使用が必然的に死を引き起こすか、不均衡な傷害又は無用の苦痛を与えるか、無差別に打撃を与えるかの基準である。これらの三つの基準に基づいて、多数の特定の兵器が、国際条約によって明確に禁止されてきた。すなわち、対人地雷、クラスター弾、失明をもたらすレーザー兵器、ダムダム弾、並びに生物兵器及び化学兵器が含まれる。これらの禁止のいくつかは、慣習国際法の一部である。明示的に禁止されてはいないものの、核兵器の使用は、国際人道法に、特に区別及び均衡性の原則と基本的に(in basic)14反している。平和維持活動(Peacekeeping operations)国際平和維持活動は、紛争解決及び危機管理のための国際社会の手段である。民生的手段及び軍事的手段の双方が安定的で平和的な関係を築くために用いられる。冷戦の終結以降そのような活動はさらに発展し、今日では、平和維持及び平和強制、紛争予防、平和構築及び平和定着、並びに人道的活動等を含むより広範な種々の活動に頻繁に関与している。国際連合によって権限を与えられた平和維持活動及び平和強制活動、又は国際連合の名の下にある平和維持活動及び平和強制活動において、関係部隊は、いずれかの当事者と武力紛争に積極的に関与する場合にはいつでも、国際人道法の規定を尊重しなければならない。報道関係者(Journalists)軍隊に随伴するような従軍記者(war correspondents)を別にして、報道関係者は文民とみなされ、そして文民として保護される。1949年のジュネーヴ諸条約の第一追加議定書は、報道関係者に特別の保護を与え、及び彼らが身分証明書を取得することができると定める。保護される者(Protected persons)ジュネーヴ諸条約*(The Geneva Conventions)危険にみまわれた地域におけるインタビュー対象者の39%が、すでにジュネーヴ諸条約のことを聞いたことがあった。ジュネーヴ諸条約の知識は、人道的態度に影響を与える。すなわち、敵の負傷した構成員又は投降した者を援助しようとする意思がより高い。ジュネーヴ諸条約を知る人の38%が援助する。諸条約を知らない人の間では、31%のみが援助する。インタビュー対象者の全体の56%が、諸条約が戦争の悪化を防止すると考えている。* ICRCによる世界規模の調査「戦争における人々」より人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 157