ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014AG/2.1/1原本:英語国際赤十字・赤新月社連盟第19回連盟総会2013年11月12~15日於オーストラリア、シドニー議題項目2.1国際赤十字・赤新月社連盟の現状に関する連盟会長報告まず、本日の会場となっているこの土地の伝統的所有者であるカディガル族に感謝し、部族の先人、その過去、現在、未来に敬意を表します。国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)の現状について考えるにあたっては、シリアの状況から始める必要があります。ジュネーブで開催された前回の総会において、私はシリアの人道的状況について懸念を表明しました。今世紀最悪の状況のように思えたからです。そして2年後の今もなお、私はシリア国内とその周辺の危機に深い悲しみを覚え、犠牲を強いられている人々を深く憂慮しています。国際赤十字・赤新月運動全体が、これに対応する力を試されています。連盟理事会ではこれまでに数多くの重要な議題について話し合いが行われてきました。そしてここシドニーにおいて、我々はそれらを問いかけられています。具体的には、次のような議題です。?政府への補助的な役割を果たしながら、いかにして独立した人道的活動を遂行するのか?紛争に限らず、人道援助に携わる数多くの関係者の間でいかに中立を保つのか?多様な人々を援助する場合に、どのようにして公平を保つのか?紛争に関わる政府およびさまざまな関係者の立場と活動によって人道的空白が生じる場所で、困窮する人々をどのようにして支援するのか皆様、私は今年5月にシリアを訪れ、シリア・アラブ赤新月社をはじめとした人々が現地で懸命に活動する様子を視察し、連盟を代表して彼らの人道的信念に対する情熱を称え、評価しました。シリアではこれまでに20人以上の赤新月社の勇敢なボランティアおよびスタッフが、人道的支援を行っている最中に命を落としました。それは、彼らのご家族、所属する赤新月社、活動していたコミュニティーにとってばかりでなく、赤十字・赤新月運動全体にとっても実に大きな損失です。私たちは彼らをいつまでも忘れ人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 207